最終的に、ノイマークにとってこれは金銭の問題ではなかった。彼にとってそれは、グラムズともう一度心を通わせるための機会だった。
「グラムズはパズルが大好きだったし、僕もそうなんだ」とノイマークは語る。「このビーニーの件は、まるで巨大な『保管庫サイズ』のパズルを解くような感覚だった。経済的な価値はともかく、本当の贈り物は、グラムズと一緒に最後の大きくてカラフルなパズルに取り組めたことだった」
ノイマークは、祖母の収集癖には「強迫的な一面」があったと考えている。「彼女は酒もタバコもギャンブルもやらなかった。でもこの収集は、彼女にとって何かの代わりになっていたんだと思う」と彼は語る。「嗜好としては、もっと悪いものもあるしね」
実際、グラムズのように何かを集める人は少なくない。2018年に米専門誌『ジャーナル・オブ・マーケティング』に掲載された研究によれば、アメリカの世帯のおよそ40%が何らかの収集活動を行っているという。
人が何かを集めたくなる理由はそれぞれだ。今年『ジャーナル・オブ・コンシューマー・リサーチ』に掲載された研究論文では、収集行動の背後にある主な動機のひとつとして「コントロール欲求」が挙げられている。つまり、収集は混沌とし予測不能な世界の中で、自分なりの秩序や構造を保つ手段になり得るということだ。
※当記事は「ニューズウィーク日本語版」からの転載記事です。元記事はこちら。








