なぜ「株価変動」は間違いなのか? 賢い人が暴落時に見ている“たった1つの数字”
働きながら株で資産50億円を築いた“本当に儲かる3つの投資術”を初公開――余命宣告を受けた医師 兼 個人投資家の父が愛娘に捧げる著書『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)。4度の手術を経て、49歳で肺と肝臓へのがん転移が判明。主治医からは「50歳は迎えられても51歳はわからない」と宣告された著者が、働きながら50万円を50億円に増やした投資法を愛娘に向けて全力指南。再現性の高い3つの投資法をマスターすれば、忙しく働きながらも「一生困らないお金」を稼げるようになる。「人生の集大成として、出し惜しみ無しで、魂を込めて書きました」(著者より)。
※本稿は『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【働きながら株で資産50億円】「プロより個人投資家が有利」ってマジか…巨額の資金を運用する“機関投資家”がなぜか勝てない「意外な理由」Photo: Adobe Stock

株価変動は「本来おかしい」という真実

株を買うということは、その会社の一部を所有することにほかならない。そして株価に発行済株式数を掛けた「時価総額」は、その会社の価値と同じでなければおかしいはず。

しかし、株価は毎日変動している。これは本来、おかしいことだ。

市場は「企業の価値」を間違え続ける

株価が上下するということはつまり、株価は必ずしも会社の価値を正しく反映しているとはいえないということでもある。

実際の価値よりも高く見積もられている割高株もあれば、逆に低く見積もられている割安株もあるわけだ。

歪みが修正される「答え合わせ」で勝つ

本来の価値より安く放置されている割安株を買えば、そのうちみんなが「あれ、この株って本当はもっと価値があるんじゃない?」と気づいて株価が上がっていく。

そして株価が上がってきたところで売れば儲かるというのが、バリュー株投資の本質だ。

【解説】「価格」と「価値」を切り離して考える力

株価の変動は必ずしも企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)の変化を意味しません。

ここに、私たち個人投資家が市場で勝ち残るための重要なヒントが隠されています。

市場の「感情」に振り回されない

株価は、市場参加者の期待や不安、あるいは需給バランスといった「感情」によって短期的には大きく揺れ動きます。しかし、企業の工場、ブランド力、従業員のスキルといった「本質的な価値」が、昨日の今日で急激に変わることは稀です。

「株価が下がったからダメな株だ」と安易に判断するのではなく、「価格は下がったが、価値は変わっていない(=割安になった)」と捉えられるかどうかが、投資成果を分ける分水嶺となります。

暴落時こそ、冷静に「値札(株価)」と「中身(価値)」を見比べるチャンスなのです。

個人投資家だけの特権「待つ力」

市場の歪みが修正され、適正価格に戻る「答え合わせ」の時期は、明日かもしれませんし、数年後かもしれません。

実は、機関投資家のようなプロは、四半期ごとの成績を求められるため、いくら割安でも「すぐに上がらない株」を持ち続けることが難しい場合があります。

しかし、個人投資家には「時間の制約」がありません。市場が正気に戻り、本来の価値を再評価してくれるその時まで、じっくりと保有し続けられること。この「時間」という武器を最大限に活用することこそが、バリュー株投資における最大の優位性(エッジ)なのです。

見るべきは「画面」ではなく「事業」

日々の株価チャートや点滅する数字(株価)に目を奪われると、どうしても不安が募ります。しかし、投資とは本来、事業のオーナーになることです。

見るべきは「株価(Price)」ではなく「事業の価値(Value)」である。この視点を腹落ちさせることで、日々の「おかしな変動」は恐怖の対象から、利益を生み出す好機へと変わるはずです。

※本稿は『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。