「暇な人」ほど投資で大損する…FIREに失敗して気づいた“残酷な真実”
働きながら株で資産50億円を築いた“本当に儲かる3つの投資術”を初公開――余命宣告を受けた医師 兼 個人投資家の父が愛娘に捧げる著書『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)。4度の手術を経て、49歳で肺と肝臓へのがん転移が判明。主治医からは「50歳は迎えられても51歳はわからない」と宣告された著者が、働きながら50万円を50億円に増やした投資法を愛娘に向けて全力指南。再現性の高い3つの投資法をマスターすれば、忙しく働きながらも「一生困らないお金」を稼げるようになる。「人生の集大成として、出し惜しみ無しで、魂を込めて書きました」(著者より)。
※本稿は『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
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年4回の売買でも勝てる
「究極の省エネ投資」
僕が株価をチェックするのは、1日1回あるかどうか。1週間見ないことも珍しくない。一番売買が少なかった年は、1年でたった4回しか売買していない。
頻繁に株の状況をチェックしなくてもいい、というよりも、むしろバリュー株投資家はあまり頻繁に株価を見ないほうがいいとすら僕は思っている。
「ノイズ」を遮断せよ!
握力を弱める最大の敵
バリュー株投資家は、基本的には短期的な株価の上下動をベースに売買するわけではない。
だから「いずれ株価が上昇する」と思って買っているのに、上がらない期間が長く続いたり、少し含み損(いま売ると損をする)になっていたりすれば「この株を売って、ほかの株を買ったほうがいいのかな」なんて余計なことが頭に浮かんでしまう。
「暇」は投資の邪魔になる
FIRE失敗からの教訓
だから、頻繁に株の状況をチェックしないほうがいいんだ。
僕が半年間だけFIREを経験したとき、暇だから株価を見すぎたり短期トレードをしたりと、余計なことをしてしまい、そのことを痛感した。
【解説】「何もしない」という
最も高度な投資決断
多くの投資家は、「頻繁に売買すること」や「常に情報を追いかけること」こそが努力であり、利益につながると信じ込んでいます。
しかし、著者の経験則は、その常識を真っ向から否定するものです。ここには、個人投資家が生き残るための極意があります。
「待つ」ことも立派な投資行動
投資の世界には「行動バイアス」という心理作用があります。「何か行動を起こしていないと、結果が出ないのではないか」という不安から、不要な売買を繰り返してしまう現象です。
しかし、バリュー株投資において、種(割安株)をまいた後に必要なのは、頻繁に土を掘り返して根を確認することではありません。企業価値が市場に認められるまで、じっくりと育つのを待つことです。
「今日は何もしない(売買しない)」と決めることは、サボりではなく、「現状維持が最善である」という積極的な投資判断なのです。
メンタルという「資産」を守る
株価をチェックするたびに、私たちの脳は無意識のうちに「売るべきか、買うべきか、持ち続けるべきか」という判断を迫られ、精神的なエネルギー(ウィルパワー)を消耗します。
「ノイズ」を遮断することは、単に迷いを消すだけでなく、冷静な判断力を維持するための防衛策でもあります。投資以外の仕事や趣味、家族との時間に没頭することは、結果として「余計なことをしない」という規律を生み、投資パフォーマンスの向上につながります。
投資は人生を豊かにするための「手段」
著者の「暇は投資の邪魔になる」という言葉は逆説的ですが真理です。投資はあくまで人生を豊かにするためのツールであり、人生そのものではありません。
画面に張り付く時間を減らし、日常生活を充実させること。皮肉なことに、「投資のことを忘れている時間」こそが、資産が最も健全に育っている時間なのかもしれません。
※本稿は『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。









