NISMOはオプションでレカロシートが選べる。エクストレイルに合わせた専用品で、他車用よりも座面の角度を寝かせるなど特別に調整しているという。あまりきつく拘束されることがないのに、走ると高いGでも懐の深いホールド感で体を支えてくれるスグレモノだ。
新グレードのROCK CREEKと
NISMOの違い
SPORTS SPECの走りも魅力的だった。「蒼海の息吹をまとった上質な爽快ドライブSUV」のコンセプトどおり、ほどよくスポーティで快適性も高い。機構面ではNISMOと共通のショックアブソーバーとVCMのほか、SPORTS SPECに限りパフォーマンスダンパーを装備するのが特徴。その効果で標準モデルでは感じた微振動や突き上げが軽減されている。公道で乗るとこの特徴が鮮明になるに違いない。
SPORTS SPECは軽快で俊敏なハンドリングが気持ちいい。ほぼNISMOと共通だ。ただしタイヤはオールラウンド性能を高めたタイプ。NISMOとは絶対的なグリップレベルが異なる。それを考慮してe-4ORCEは「曲げる方向でブレーキをつまむ制御をしている」と説明された。回頭性のよさをも感じ取れた。
一方、新グレードのROCK CREEKは、北米向けのパスファインダーなどに設定されたワイルド仕様の日本版。北米ローグのROCKCREEKは、目標の約3倍の販売を誇る人気モデルという。タフギアというキャラクターを鮮明にしたスタイリングは実に魅力的。3連スロットを配した専用グリルと、各部のブラック処理、そしてラバレッドのワンポイントが凛々しい。日本仕様は専用デザインの19インチアルミを装着。シートはアウトドアで安心な防水仕上げだ。さらに、新設定のSOTOASOBIというopパッケージを組み合わせるとボンネットが艶消しブラックとなり、専用フェンダーガーニッシュが加わって一段とワイルドに変身する。
標準車については走りにとくに変更はないが、内外装デザインがリファインされ、装備が充実。上級グレードに用意されるナッパレザーが明るいタンカラーから落ち着いたチェスナットブラウンに変更されたのは好印象だ。大規模に刷新されたインフォテインメント系の使い心地もいい。魅力的な新しい仲間が加わり、内容が充実したエクストレイルの商品力は確実に向上した。“こんなエクストレイルを待っていた!”というファンは多いに違いない。
(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/横田康志朗)









