新型「RAV4」ワールドプレミアの様子新型「RAV4」ワールドプレミアの様子 Photo by Kenji Momota

トヨタが5月21日、新型「RAV4」を世界初公開した。ハイブリッド車(HV)が中心となるが、プラグインハイブリッド車(PHEV)の性能も強化した。国内発売は2025年度中を予定する。一方、同車種のライバルで、販売好調なのがSUBARUの新型「フォレスター」だ。4月販売以来、1万台を超える受注だ。人気SUV2モデルを比較する。(ジャーナリスト 桃田健史)

トヨタ全体の次世代化を牽引する「RAV4」

 RAV4が、未来を見据えて大きく変わった。都内で開催された、新型RAV4のワールドプレミアを現地取材しての感想だ。

 先代モデルが、オフローダーを前面に押し出したイメチェンをしたとは別の観点で、今回RAV4がさらに進化したのだ。

 会見会場に入ると、中央壇上の左スペースに歴代RAV4がズラリと並ぶ。まさにワールドプレミアの雰囲気である。

 この展示を見ながら時代を振り返ると、RAV4の原点は1989年の東京モーターショーに出展したコンセプトモデルである。そのイメージを継承した初代は、いわゆるニッチ商品だった。当時、SUVやクロスオーバーという分野は日本にも、また米国でも事実上存在していなかったからだ。

 初代モデルは、当時日本で人気だったRV(レクリエーショナル・ビークル)のイメージだが、本格的なオフロード性能は持たない、若い世代向けの「遊びクルマ」。それが、筆者の印象だった。

 そんなRAV4は、2010年代に大きな転機を迎えた。北米市場でコンパクトSUVシフトが加速したのだ。トヨタでは「カローラ」「カムリ」という二大稼ぎ頭からRAV4へシフトが一気に進んだ。ここで「コンパクト」といっても、グローバル市場でのC/Dセグメントを指す。日本でのコンパクトはC/Dより小さいBセグメントに当たる。

 今回のフルモデルチェンジに対して、チーフエンジニアの太長根嘉紀(ふとながね・よしのり)氏は、筆者からの「RAV4の立ち位置」に対する問いかけに次のように答えた。

「マルチパスウェイを進める上で、RAV4としてどうあるべきか」と、電動化について熟考したというのだ。

 結果的に、HEV(ハイブリッド車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)のみをラインアップすることになった。