8月から「マイナ保険証」一択?制度変更で大損しない「医療費の裏ワザ」写真はイメージです Photo:PIXTA

多くの市区町村で紙の健康保険証の有効期限が7月31日で切れることをご存じだろうか。8月以降は「マイナ保険証」か「資格確認書」を使うことになるが、登録していない人や、マイナンバーカードを持っていない人はどうなるのか――。『医療費の裏ワザと落とし穴』297回では、8月からの制度変更について詳しく解説する。(フリーライター 早川幸子)

紙の健康保険証が期限切れに
マイナ保険証がない人はどうなる?

 2025年7月、多くの市区町村で紙の健康保険証が期限切れを迎えた。

 今後は、原則的に病院や診療所では「マイナ保険証」か「資格確認書」のいずれかを提示して、医療機関を受診することになる。

 マイナンバーカードや資格確認書を持たずに病院や診療所を受診した場合、本来なら、いったん医療費の全額を患者が支払い、後日、加入している健康保険組合から保険給付分を還付してもらう手続きが必要だ。

 だが、制度の移行期には大きな混乱も予想される。そのため、有効期限が切れた健康保険証や自治体などから送られた「資格情報のお知らせ」を持参した場合でも、当面は通常通りの自己負担分で受診できる対応が取られることになった。

 ただし、こうした対応はいつまでも続くわけではない。今回の特別措置の内容を詳しく見ていこう。

 マイナ保険証は、マイナンバーカードの個人認証機能を使って、その人が加入している公的医療保険を確認するもので、諸外国に比べて立ち遅れている医療分野のDX化を進めるため、2021年10月からマイナ保険証が本格的に導入されたものだ。

 さらに、23年6月9日に施行された改正マイナンバー法で、公的医療保険の資格確認はマイナ保険証を主軸にすることになり、従来型の被保険者証(健康保険証)の廃止が決定。マイナンバーカードを保有していなかったり、マイナンバーカードを持っていても公的医療保険の資格情報をひも付けしていなかったりする人には、「資格確認書」が送付されることになった。