AIの進化を簡単に整理しますと、まずAIには何度かブームがあって、1960年代や1980年代には既にブームが来ていました。もともとAIは自分で考えるというよりも推論するところから始まり、大量のデータを入力して知識を処理することで、自ら考えているように見えることが期待されていました。
そして、2000年代に入ってからは機械学習(マシーンラーニング)と深層学習(ディープラーニング)へと進化していきました。
前者は世界中にある様々な大量のデータを収集、活用して機械的に学習していくこと、後者は複数の様々な違うデータに何らかの連関性を見つけて、その連関性を読み解く形で学習していくことを指し、これらを行えることが現代のAIの大きな特徴です。人間の手を離れて機械が勝手に学習し、機械が勝手に成長していく。人間が道筋をつくらなくても機械が勝手に育っていくような世界ができ始めているのです。
AIの発展によって人間の知能を超える瞬間が来るのではないかと言われることがありますが、その瞬間を指すのがシンギュラリティという言葉です。AIの世界ではよく言われていて、映画などでも聞いたことがあると思います。私はシンギュラリティが来るとも来ないとも言いませんが、信じるか信じないかはともかく、そのような考え方があることは事実です。
データセンター立地の
奪い合いが始まる
AIの発展のためには巨大なデータとそれを方向付ける教師データを提供し続ける必要があり、今やインターネット上にあるデータですらも古くて狭いと言えるかもしれません。そして、AIが新たなデータをどんどんと吸収して自律的に学習していく世界になっていくことで、今後はデータセンターの規模や能力、量がより問われる状況になっていくでしょう。
その際、大きな問題になるのは、データローカライゼーションの問題です。データセンターの規模や能力が問題になるなか、そのデータセンターをどこに置いても良い、ということにはなりません。そのデータが安全に維持保全され、同時に扱いやすい状態であることが重要になってきます。







