NHK連続テレビ小説『あさが来た』で
脚本を担当した大森美香

 文芸の領域でも、多くの卒業生が気を吐いている。

 脚本家、演出家、映画監督で、多くのテレビドラマを担当している大森美香がOGだ。2015年にNHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』で脚本を担当し、連続テレビ小説において今世紀最高の視聴率を記録した。16年に同作で第24回橋田賞を受賞した。21年放送のNHK大河ドラマ『青天を衝け』でも脚本・構成を担当した。

 大森は横浜翠嵐高校を経て、青山学院女子短大卒。2005年にはフジテレビ系連続ドラマ『不機嫌なジーン』で第23回向田邦子賞を、33歳という史上最年少の若さで受賞した。

 放送作家、映画監督の三木聡、フリーライターの佐藤和歌子らもOB・OGだ。

 知念正文は劇作家、演出家だ。劇団鳥獣戯画を主宰している。

 生島治郎は早川書房の編集者から作家に転じ、『追いつめる』で1967年に直木賞を受賞した。ハードボイルド小説の先駆けだった。早稲田大第一文学部英文学科卒だ。

 小説家の宮原昭夫は、1972年に芥川賞を受賞した。横浜翠嵐高校の3期生で生島と同期だったが、高校在学中に胸を患って数年間休学したため卒業時には7期生となった。早稲田大露文科卒だ。

 コラムニスト、文芸評論家の青木雨彦は、前述の生島、宮原と横浜翠嵐高校3期の同期生だった。早稲田大の仏文科卒で、在学中は生島と共に「早稲田大学現代文学会」に所属していた。サラリーマンの哀歓を絶妙な筆致で描いたコラムで鳴らした。

 水原紫苑(しおん)は歌人だ。古典文法を駆使した伝統的な和歌を踏襲し、「新古典派」と称された。歌集に『客人』『あかるたへ』など。

 草柳大蔵(だいぞう)はノンフィクション作家、ジャーナリストだった。「週刊新潮」の創刊に加わった。週刊誌ジャーナリズムの草分け的な存在だ。

 赤塚行雄は文芸評論家、社会評論家だった。『劇場型犯罪』という言葉の生みの親とされる。

 光岡史朗はコピーライター、小説家だった。汐見朝子はレディースコミックが得意な漫画家だ。

 小説家の佐野広実は、1999年に「島村匠」というペンネームで書いた小説で松本清張賞を受賞した。2020年には「佐野広実」の筆名で描いた『わたしが消える』で江戸川乱歩賞を受賞した。横浜国立大卒だ。