全国の高校で類例を見ない
「大平凡主義」という校訓

 横浜翠嵐高校は、1914年に開校した旧制の県立第二横浜中学を前身とする。神奈川県内の旧制中学としては5番目の設立だ。

 戦後の学制改革で男女共学となり、校名に優雅な「翠嵐」を採り入れた。旧制中学時代からの校歌の冒頭に「美なりや翠嵐…」の表現があったからだ。山は緑で、吹く風はかぐわしくうるわしいという意味だ。学校周辺には三ツ沢公園もあり,豊かな自然環境に恵まれている。

「大平凡主義」というのが校訓だ。全国の高校の中で類例を見ないユニークな校訓だ。意訳すれば、「当たり前のことを愚直にやり遂げる」という意味だ。

 米国メリーランド州のエレノア・ルーズベルト高校と姉妹校の協定を結び、毎年、相互訪問を行っている。

 2017年10月に県教育委員会より学力向上進学重点校の指定を受け、将来の日本や国際社会においてリーダーとして活躍できる人材の育成を目指している。

 神奈川県の公立高校としては、トップの進学校になっている。

 2025年春の大学入試(25年4月入学)では、現役、浪人合わせ東京大に74人が合格した。東大合格者数ランキングで、全国第8位だった。トップ10入りは、初めてのことだ。全国の公立高校の中では、都立日比谷高校の81人に次いで2番目だった。

 東大への現役での合格者は、横浜翠嵐が67人、日比谷は65人だった。現役合格者だけを比較すれば、横浜翠嵐は公立高校で全国トップだ。25年3月の卒業生数は、横浜翠嵐が366人、日比谷が309人だった。東大現役合格者の比率を比べれば、日比谷の方が若干、高い。

 東大以外の現役と浪人を合わせた合格者は、京都大11人、東京科学大11人、一橋大10人、北海道大10人、東北大12人、大阪大7人が合格した。全国の国立大に、まんべんなく合格者を出している。

 私立大には現役、浪人を合わせ延べで、早稲田大に233人、慶応大に177人が合格した。明治大に214人、東京理科大に180人が合格した。