ところが、野党を含めて国会の人間は誰も気付きませんでした。

 こうして、未だに日本はロシアからガスの輸入を続けているわけです。その率も先述のように現在は10%に増えています。

 これに関して、私は結果的に日本にとってプラスだったと思います。

ロシアの勝利を想定して動いた
日本のしたたかな出口戦略

 次に「空」の問題です。

 戦争が始まってすぐ、G7の各国は次々とロシア航空機の自国領空への乗り入れを禁止しました。しかし日本だけは禁止していません。

 乗り入れを禁止した国に関しては、ロシア側も乗り入れを禁止しています。つまり、ヨーロッパ諸国はロシア上空を通ることができなくなっている。

 しかし、この戦争はロシア優勢のもとで終わる可能性が高い。そうなると、ロシアが悪いことをしたという立場に立っている以上、制裁を解除する理由が見当たりません。そのため、ロシア優勢のもとで戦争が終わった場合、空に関して制裁を継続せざるを得ないでしょう。

 そうするとヨーロッパの航空会社が日本や韓国に来るときに、シベリア上空を通る最短ルートを使えないので、北極回りになるわけです。遠回りする分のガソリンも余計に使うようになる。

 もちろん現時点では戦闘状態なので、日本の旅客機や貨物機もロシア上空は飛んでいません。しかし、その理由は制裁ではなく、保険をかけることができないからです。

 もし、戦闘状態が終了して保険をかけられる状態になれば、日本はおそらくロシア上空に飛行機を飛ばすでしょう。

 そうすれば日本-ヨーロッパ間の移動において、北極回りのルートを使わざるをないヨーロッパの飛行機に比べて、日本の飛行機は2時間半から3時間は短くなるし、その分のガソリンも節約できる。日本の航空便はヨーロッパとの交通において優位性を持つでしょう。

 利益の面では、日本は戦争が始まった時点で、終戦後の自国の利益を計算した振る舞いをしているわけです。