もっとオープンで自由なプランや
アプローチの仕方が必要

イノベーションを生み出す力を身につけるための教室は、<br />フレキシブルで、空間にもこだわりがあった。<br />【スタンフォード大学d.school編】必要なホワイトボードを掲示する机も椅子も高い

本田 こんな人材を育てたいとか、これからの企業には必要になってくると思うんですけど、昔のコントロールされたような会社だと、こういう思考ってうまく出てこないですよね。

サラ 今もやはり企業を牛耳っているのは、製造業時代のモデルなんです。決まった時間に出勤して8時間仕事しろ、などというのは、工場のアセンブリーラインで仕事をしている人向けの制度。それがまだ残っている。こんな環境で、さぁクリエイティブになれ、いいアイディアを出せ、と突っつかれても、うまくはいかないでしょう。もっとオープンで自由なプランやアプローチの仕方が必要です。すでに在宅勤務でいい、遠隔地でもいい、など制度を緩めている会社があるのは、少しはいい兆候ですね。

本田 たしかにそうですね。

イノベーションを生み出す力を身につけるための教室は、<br />フレキシブルで、空間にもこだわりがあった。<br />【スタンフォード大学d.school編】スタンフォードd.schoolロゴ入りの車

サラ あと、企業の管理者ができることのひとつは、プロトタイピングの文化を広めることです。完成品を作らせるのではなく、なんかちょっと未完成のもの、アイデアを込めた物をたくさん出すことによって、それを練って、実際に実感を持って何か共鳴できるようなものを最終的に作る。考え方を深めていくという文化です。
それから本当の意味での共同作業をどうやって実現させるかという点も重要です。今はよく複数の部門や職位から、様々な経験やスキルを持つメンバーを集めて、クロスファンクショナルチームを作ってミーティングをやりますけど、多くは結局自分の部署を代表して意見を述べているだけに過ぎないわけですよね。そうではなくて、ゼロから、どうやってコラボレーションできるチームを作っていくかっていうことを、今考えなくてはいけないんです。

本田 まさに、そうですね。今日は、とても参考になりました。有難うございました。

※次回は7月9日更新予定です。


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本田直之(ほんだ・なおゆき)
レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼CEO
シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締役としてJASDAQ への上場に導く。現在は、日米のベンチャー企業への投資事業を行うと同時に、少ない労力で多くの成果をあげるためのレバレッジマネジメントのアドバイスを行う。東京、ハワイに拠点を構え、年の半分をハワイで生活するデュアルライフを送っている。

幸福度ランキングトップの北欧(デンマーク、スウェーデン、フィンランド)の人たちと幸福について語り合って著した近著『LESS IS MORE 自由に生きるために、幸せについて考えてみた。』(ダイヤモンド社)が話題になっている。
このほかの著書に、ベストセラーになったレバレッジシリーズをはじめ、『ノマドライフ』(朝日新聞出版)、25万部を越えるベストセラーとなった『面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則』『ゆるい生き方』『7つの制約にしばられない生き方』(以上、大和書房)『ハワイが教えてくれたこと。』(イースト・プレス)などがある。
著書は累計200万部を突破し、韓国、台湾、中国で翻訳版も発売されている。