業務説明の途中、社員さんが洗う食器やシンクの生ゴミを素手でガシガシ触っているのが気になりました。もしかしてこれ、僕にも同様に素手でやれって言っているんでしょうか……。
さすがにそれはキツいので「すいません。手袋的なものを貸していただけませんか?」と聞くと、奥からペラペラの薄手の使い捨て手袋を出してきてくれました。
一般的な飲食店で使われている水色のニトリル手袋ではなく、ポリ袋のような材質の超貧弱な手袋ですぐ破れてしまいそうですが、これでもないよりはマシ。その手袋を装着し、洗い場作業を開始します。
「わかってんの!?」
圧強めのおばさま店員
僕の目の前の返却カウンターにお客さんがどんどん食器を返却してくれるので、それを受け取って食器はシンクに置き、食洗機へ。お盆はカウンターの上の段に置いてふきんで拭くというのが基本的な動きです。
返却カウンターも狭いので、返却された食器はどんどん片付け、お客さんがいつでも返却できるスペースを作っておくのがコツのようです。
社員さん曰く、食洗機で洗い上がった食器は社員さん横の作業台に置いておけば片付けてくれるみたい。とりあえず一度、洗い上がったものを置いてみたらすぐに片付けてくれてとても助かりますね。
そんなことを何度か繰り返していると「この食器はあそこに置いてほしい」と言われました。僕が置ける範囲にあるものは僕が片付けるようで、丼やご飯茶碗、カレー皿などご飯系の食器は僕の担当だということが徐々にわかってきました。
業務を開始した11時はランチタイム前なのでそれほどお客さんの数も多くなく、いいペースで洗い場作業に慣れることができました。
おそばメインなので洗い物も油がべっとりついたものは少なく、シンクに溜めた水にサッとくぐらせてそのまま食洗機に入れても問題ない感じ。ご飯物の丼や茶碗、カレー皿などはしばらくシンクに沈めてから食洗機にかければOK。お店的にも「食洗機にかければなんとかなる」という感じらしく、入念な下洗いが求められることはなくて楽でした。
だいたい30分ぐらいでおおよその業務の流れは掴めたので、洗い場の作業をしつつ厨房内の観察を行います。厨房を仕切っているのはベテランおばさま店員。社員さんやもう1人のおばさまパートさんにバシバシ指示を飛ばしますが、その言い方がとにかくキツい。
「これ、やっとかなきゃダメでしょ? わかってんの!?」という感じで他の2人にとにかく圧をかけていきます。このプレッシャーがキツいのか、男性社員さんも常に追われながら作業をしている感じ。だから僕に対する業務説明もあんな感じでバタバタしてたんですね……。







