車いすYouTuberの渋谷真子さん 写真提供/本人
*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2026」の「INTERVIEW『新しい時代』の生き方、働き方」を転載したものです。
エンターテインメント分野でのバリアフリー推進や地域活動など、多彩な活動で、車いすユーザーの「リアル」を発信するYouTuberの渋谷真子さん。人見知りでもできる人脈構築術など、就活生が前向きになれるヒントを聞いた。(取材・文/ライター 奥田由意)
「もったいない精神」で
人とのつながりを大切に
地方創生、エンタメ分野のバリアフリー化を進める一般社団法人の設立、車いすユーザーの運動会や技術向上教室の企画、そして障がいや福祉という分野ではない一般枠でのタレント活動など、さまざまな分野で活動を計画し、実践する渋谷さん。どの仕事も全力で、手を抜かないのが身上だ。
ただ、精力的に活動する渋谷さんも意外なことに人見知り。「せっかく出会ったのだから、という『もったいない精神』を持つこと」で、さまざまな人とのつながりを大切にし、それが現在の多様な活動につながっている。
では、人見知りでも人と関わるための具体的な方法はあるのか。渋谷さんが提案するのは「職業的な役」に「なり切ってみる」意識だ。「素」の自分ではできないこともできるようになるという。
「例えば、居酒屋に一人で行くときは『自分はここの店員』だと思って行動する。そうすると、お客さんとして受け身でいるのではなく、積極的にその場にいる人に話しかけることができるようになります。その職業モードのスイッチを入れるのです」
このテクニックは中学生時代の生徒会長経験から身に付けたものだという。聞きやすい声のトーンや話し方など、校長先生やアナウンサーの話し方を真似し「なりきる」ことで、人前で話すこともうまくなった。






