「尊敬する人は誰ですか?」面接でよく聞かれるこの質問、皆さんならどのように答えますか?
『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別な経歴や夢がなかった“普通の就活生”である著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分に合った就活メソッドを築き上げ、食品大手を含む22社から内定を獲得した実体験をもとにした、どんな学生でも内定に近づく一冊です。「自己PRで話せることがない」「インターンに参加していない」といった就活に不安を抱く学生と、そっと背中を押したい保護者に読んでほしい就活戦略が満載です。今回は、「尊敬する人は誰ですか?」に対する一瞬で内定をとる人の答え方について著者である「就活マン」こと藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

面接 尊敬Photo: Adobe Stock

「尊敬する人は誰ですか?」

就活や転職の面接でよく聞かれる質問に、「尊敬する人は誰ですか?」があります。この質問ですが、すぐに思い浮かばないと回答が難しいですよね。

そして、僕もその1人でした。

例えば、野球をしてたらプロ野球選手が思い浮かぶでしょう。その分野の第一線で活躍されている憧れの著名人や研究者がいたらその方の名前を挙げられますよね。

ですが、僕は高校で帰宅部です。自転車で早く帰ることばかりを気にしていたような人間で、スポーツ選手や著名人には目もくれなかったので、尊敬する人なんているはずがありません。

面接官も知っているような著名人が思いつかなかった場合はどうすれば良いでしょうか?

僕が就活生に教えているのは、そもそも尊敬する人が誰なのか、それ自体は重要ではないということです。それよりも「なぜその人を尊敬するのか?」という理由の部分が大切なのです

ですので、尊敬する人は、自分が少しでも「すごいな」と思える人を選べば良いのです。僕の場合は、小学4年生に離婚して懸命に仕事をしてくれた母親が浮かびました。

友達の母親はお昼にカフェに行って優雅に過ごしている中、僕の母親は夜遅くまで仕事をして、ヘルニアまで抱えてしまっている。それでも僕らを支えてくれている。

そんな母親に「すごいな」と思いますし、それは尊敬そのものだと感じたのです。

なぜ尊敬するのかを考え抜こう

尊敬する人は誰ですか? ここでは、「少しでもすごいと思う人は誰か」と考えましょう。そして人物の設定が完了したら、ここからが重要です。

徹底的に「なぜその人をすごいと思うのか?」、「なぜ? なぜ? なぜ?」と徹底的に深ぼるのです。

僕のように大学も中堅で、実績も資格もないような人は、「考えの深さ」で勝負すべきです。そのためには、とにかく「なぜ」と深堀りすること。

まず、「なぜ」という深堀りが浅い回答を読んでみてください。

「私が尊敬するのは母親です。なぜなら小学生の頃に離婚してからずっと仕事をしているからです。」

人事視点で読んだときに、「なるほど」とは思いますが、それ以上のことはあんまり思わない。この回答を読んだところで、あまりその人の考えや価値観まで見えてこないですよね。

一方で、次の回答はどうでしょうか。

「私が尊敬する人は母親です。なぜ母を尊敬するのかと言うと、「やり抜くこと」を教えてくれた身近な人だからです。母は小学生の頃に離婚し、それから少ない養育費を埋めるように何社も職を転々としつつも、最後まで私と弟を育てきってくれました。育てると決めて、そこから妥協しない。やり抜く。それを背中で教えてくれた人物です。」

いかがでしょうか。

尊敬する人は母親ですという結論は変わらないですが、後者の方がどんな人なのか伝わりますよね。なんとなく、「やり抜くことを大切にしているんだな」「仕事でもやり抜いてくれそうな人だな」と思いますよね。

就活はこうした少しのコツを押さえるだけで、評価が何倍、何十倍も変わります。

このコスパの良さが就活の魅力であり、それを知ると「就活って面倒だな…」から「あれ?就活って案外面白くない?」と意識が変わります。

みなさんの就活を心より応援しています。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです