5区を走った自信を胸に
2区で区間新記録を樹立

 距離の変更後、5区から2区を走ったのが、駒澤大学の鈴木芽吹(現・トヨタ)だ。1年時の第97回大会で5区4位で走り、4年時の第100回大会では2区を走り、区間2位という結果を出している。

 もともと地力があった選手で、チーム事情から5区になったが、その後、チームのエースになり、2区を出走。区間賞は黒田朝日に譲ったが、区間2位の走りを見せた。

 卒業後、世界陸上東京大会で10000メートルに日本代表として出場するなど、長距離界のトップランナーに成長しつつある。

 吉田響も2区ですごさを見せた。東海大学時代、第98回大会で5区2位という成績を残し、3年時には移った創価大学で5区9位。しかし、第101回大会では2区に区間配置され、区間2位、1時間05分43秒の区間新をマークした。

 レース後、吉田はこう語った。

「1時間05分20秒という設定タイムは、相澤選手(編集部注/東洋大学の相澤晃。2020年の第96回大会の2区で、史上初の1時間05分台を記録)と黒田選手(編集部注/このレースでは1時間05分44秒で吉田に次ぐ区間3位)の記録を参考にして決めました。ラスト3.1キロの戸塚の坂を自分は8分30~40秒まで引き上げて、大幅な区間記録を狙っていました。

 自分は5区をやってきたので、その自信と希望的観測です。最初の10キロを28分20秒で通過して、15キロもペースを維持するイメージで余裕をもって走る。最後の8キロはどの選手もペースが落ちるので、そこからペースアップして、最後の戸塚の壁(編集部注/終盤の約3キロにわたる上り坂で、2区最大の難所)で全員を抜いてやるんだ、という作戦でした。理想どおりのレースができたと思います」

 吉田は、鶴見中継所から横浜駅前(8.3キロメートル)までを23分20秒で2分46秒ペース、横浜駅前から権太坂(7.3キロメートル)を20分15秒で2分53秒ペース。そして、権太坂から戸塚中継所(7.8キロメートル)を22分26秒で2分52秒ペースで駆け抜けた。

 吉田のすごさは、ラスト3キロのアップ&ダウンと戸塚の壁を含む区間のペースが、平坦&権太坂の中盤のペースよりも1秒速いということだ。

 最後の3.1キロメートルは9分02秒(設定は8分30~40秒)かかった分、目標タイムには届かなかったが、ラストの追い込みは強烈だった。