高速駅伝が主流の今
2区での出遅れは致命傷に
「区間賞は獲れませんでしたけど、日本人最高記録はつくることができました」(編集部注/区間賞は1時間05分31秒を記録した東京国際大学のリチャード・エティーリ)
吉田は、満足そうな笑みを見せたが、もし彼が5区を走っていたらどうなっただろうか。
あれだけの走力がある選手だ。2区を他選手ががまんで繫ぎ、山で区間新を出し、創価大学を往路優勝に導けば、神野以来の「山の神」が誕生したかもしれない。
5区から2区は、今後も十分にありえるだろう。
5区を駆けたあと、平地で走れる力をつけ、上級生になって2区を任される選手は、必須要素であるスピードと上りの強さを保持することができる。これからは、「5区経由2区」もエースへの新たな道になりそうだ。
いずれはどちらの区間も走れる「二刀流」が“本物のエース”と呼ばれるようになるかもしれない。
5区から2区へのコンバートは、2区の重要性を示すものだが、最近のレーススタイルからも、それが見てとれる。
先行逃げ切り型の高速駅伝が主流の今、主導権を握り、優位に駅伝を戦うためには、1区、2区、3区での取りこぼしはできない。とりわけ差が出る2区で遅れると致命傷になってしまう。
第100回大会の青山学院大学は、1区9位と出遅れたが、2区の黒田朝日が区間賞の走りでチームを2位に上げて流れをつくり、3区の太田蒼生でトップに立った。
2区の快走がレースのポイントになったが、このときの青山学院大学は5区間で区間賞を獲る圧倒的な強さで総合優勝を果たしている。
逆に、第101回大会の東洋大学は2区を区間20位で順位を19位まで落とした。その結果、最後までシード権を争う展開になり、9位に滑り込んだものの終始苦しい駅伝になった。
2区は、これからもエースが配置され、先行逃げ切り型の駅伝が主になっていくだろう。
2区を走れたら5区も走れるが
5区を走れても2区は難しい
そのために2区の重要性はますます高まっていくと花田勝彦(編集部注/早稲田大学競走部駅伝監督)はこう話す。
「2区を走れたら5区も走れる、5区を走れても2区は難しいといわれていますが、基本的にはそのとおりです。5区はスピードがそれほど求められていませんが、2区はスピードがないと走れない。







