さらにスタミナ、メンタルの強さなど長距離を走るうえでのすべてが求められる。前を追いかける場面だとスタートからリミッターを外して、追いかけないといけない。集団のペースが速ければそれについていかないといけない。5区とは異なり、いろんな応用力がないと難しいので、必然的に能力が高い選手じゃないと務まらないんです」

 その一方で、大志田秀次監督(編集部注/明治大学体育会競走部駅伝監督)が、

「今は、山の区間が重視される傾向があって、過去に優勝したチームも2区にエースではない選手を置いているところもあります」

 と語るように、戦略的にエースを置かない駅伝をするチームもある。

 山に絶対的な選手がいる場合、2区を「がまんの2区」にして、山で勝負するチームがあってもおかしくはない。

 第95回大会で東海大学は、そのスタイルで総合優勝を勝ち取った。

『箱根2区』書影『箱根2区』(佐藤 俊、徳間書店)

 2区の湯澤舜が塩尻和也やワンブィらエース級の選手と争うなか、区間8位で確実に繫ぎ、4区の館澤亨次が区間2位、5区の西田壮志も区間2位の走りでレースを優位に展開。復路の8区で東洋大学を逆転した。

 城西大学監督の櫛部静二も「2区以上に5区が重要」と、第101回大会ではエースの斎藤将也を2区から5区に配置を変えた。

 エースが集わなければ花はない。2区は、より強く、速い選手が集まるなかで、勝者が決まる。

 シンプルだが、それゆえ2区の勝者はよりリスペクトされ、記憶に残り続けるのだ。