やはり50歳から始めた場合は、余裕の資産形成ができる可能性がありそうです。
70歳までの20年で夫のiDeCoは「654万~3147万円」になり、NISAは「1634万~4364万円」にまでなる可能性があり、妻のNISAと合わせると何と「3922万~1億49万円」にまで達する可能性があります。実際にこうなると、もはやそれ以上の資産形成は必要なくなります。
60歳からの10年でも、夫のiDeCoは「279万~1061万円」で、NISAは「697万~1711万円」ですから、妻の分を合わせるとここでも「1673万~3627万円」になる可能性があります。50歳からの場合に比べると見劣りしますが、これはこれで立派な金額と言えます。
また70歳で投資を止める必要はありません。ほかの資産との兼ね合いですが、NISAは年齢制限がありませんから、さらに続けて投資を行うことは十分考えられます。
生活に支障をきたさない範囲で
積立を続けることが肝要
iDeCoとNISAの併用の威力は驚異的ですが、皆さんはここでシミュレーションした通りに実践する必要はまったくありません。お示ししたのは2つの制度を最大限利用した場合の1つの「姿」にすぎません。シミュレーションを参考に、自分の家計に合うように組み立てていってください。
投資に回せるお金をそんなに作れない人は、できる範囲で実践してください。毎月3万円でもいいし、1万円だってかまいません。家計の余裕度はその時々で違いますから、余裕度に合わせて積立金額を変えていってもOKです。
とにかく何らかの形で積立投資を続けることが大切です。
危ういのは60歳定年で再雇用制度を利用して65歳まで同じ会社で働く場合です。給料が著しく減ってしまい、資産形成への意欲が低下してしまう可能性があります。生活費を急に削ることができないことが大きな原因です。
積立を止めてしまいたくなるのもわかりますが、積立額を大きく減らしてもかまいませんので積立は止めないようにしましょう。
「長期・分散・積立」は、どれが欠けてもそれまで続けてきた資産形成の流れを断ち切ってしまいます。「市場に居続ける」ことと併せて、「同じことを実行し続ける」ことの大切さを忘れないでください。







