うまくすれば、休日に自宅でお酒やコーヒーを楽しみながら、自分で作ったBGMに耳を傾けるような優雅なひとときが実現できるに違いない。そこでAI作曲に詳しい、マルチクリエイターのバーバラ・アスカさんに、その作法を聞いてみた。

「作曲というとすごく高度な技術や知識が必要なものと思われるかもしれませんが、スマートフォンが登場したくらいの頃から、実はすごく手軽なものになりつつあるんです。AI時代の到来が、さらにそれを後押ししてくれました」

 バーバラさん自身、何らかの楽器を経験したわけでもなく、もともと音楽についてはズブの素人だったそうだが、iPhone登場以降、作曲を趣味として楽しみ始めたという。

 実際に、AIを使って自分好みの音楽を創作する方法をレクチャーいただこう。

イメージを打ち込むだけで
曲ができた…

「いまは本当にたくさんのアプリが出ていますが、たとえば私が初心者の方によくおすすめしているのは、『Suno AI』(以下、『Suno』)というアプリです。アプリだけでなくブラウザ版もあるので、試しやすいのではないでしょうか」

「Suno」は入力したテキストから音楽を生成できるAIツールだ。頭の中で思い描く曲のイメージを単語で打ち込むだけで、それに合わせて曲を生成してくれるというから、音楽知識ゼロの立場からすれば、まさに魔法のようなツールである。

「ここではアプリ版で説明しましょう。アプリをインストールして、アカウントを作ってログインすれば、準備は完了。あとは“曲の説明”と書かれている欄に、どんな曲を作りたいのか文章で書き込む。たったそれだけでOKなんです」

 本当だろうか? 思わずそう疑いたくなるほど手軽な創作活動。ここでは試しに、「休日の昼下がりに、ゆっくりくつろぎたい時に聴きたい音楽」と入れてみた。そして「作成する」をタップすると――、ものの10秒ほどで「曲の準備ができました」とのアラートが。

そりゃプロも焦るわ…「音楽知識ゼロ」がAIで10秒作曲、その驚きの“結果”とは恐ろしく手軽なAI作曲アプリ「Sono AI」 Photo by Satoshi Tomokiyo