市場全体が着実に伸び続けていたり、ブランドが広い世代に知られているなどの安心感でもいい。何年か働いた後も、意欲と情熱を持って、さらに上を目指そうと努力している自分が想像できる分野で、稼ぎたいと思うはずだ。
自分が成長を続けるためには
ポテンシャルのある分野を選べ
もっとシンプルに言うなら、勝てる分野の仕事だ。
宇宙ロケット産業こそ、いま日本で勝てる仕事の筆頭だ。理由は4つにまとめられる。
1つ目はロケット発射場の立地的条件の良さだ。打ち上げは地球の自転速度を利用するため、世界中どの国の宇宙企業も、東の空に向けてロケットを打つことが多い。世界地図を見ればわかるが、日本は東側に海が開けている。ロケットの速度を保ち、安定した打ち上げが可能なわが国は、打ち上げの効率で世界をリードできるのだ。
2つ目は、ロケット部品の高い国内製造能力だ。基本的に、多くの部品を国内で賄える。輸入での税関手続きや移送コストを大幅に削減して、スピーディな組み立て・打ち上げを実現できるのだ。
3つ目は、資金調達市場の成熟だ。日本は先進国のなかでも際だって、スタートアップ企業を支援する制度が整っている。IT企業に数十億円が投資されるケースは少なくなく、ベンチャーキャピタルが組成するファンドに機関投資家も加わり、投資規模は年々スケールアップしている。
僕がファウンダーとして関わるロケット開発の企業、インターステラテクノロジズ(IST)も国から支援を受け、堅調に成長中だ。
4つ目は、参入障壁の低下だ。日本は早い段階で、制度のうえでスタートアップが宇宙開発に参入できる環境を整えた。政策レベルでの後押しを受け、大企業にはないスピード感で失敗と改善を繰り返し、スタートアップが技術開発を進展させている。
以上の4つの条件が揃い、日本の宇宙ロケット産業は世界の市場でも戦えるポテンシャルが十分にある。「勝てる」仕事のポジションは揺るがないだろう。







