新規参入の挑戦は、残念ながら楽天に負けてしまった。その後の東北楽天ゴールデンイーグルスが、仙台の人気球団となり、球場と周辺のファンビジネスが大成功しているのは、説明するまでもないだろう。
オーナーの三木谷さんも当時は僕と同じく、プロ野球の門外漢だったはずだ。それでも球団の運営で、莫大な収益を挙げている。僕の狙いは間違っていなかった。ズブの素人でもプロ野球チームを持つことは決して不可能ではなく、投資も堅実に回収できると証明されたのだ。
ちなみにプロ野球の球団買収に動いた当時、実はとある筋から、ホークスの買収を持ちかけられたのだが……資金的に断った。もし資金的に都合がつけば、前向きに考えたかもしれない。それはまた別の話だ。
地元のチームを「推す」心理も
市場を拡大させる後押しになる
『あり金は全部使え』(堀江貴文、マガジンハウス新書)
プロスポーツビジネスの挑戦を、やめてしまったわけではない。2021年、僕は北九州下関フェニックスを設立した。独立リーグではあるが、元NPBの人気選手だった西岡剛を監督に招へいするなど、好調なスタートをきった。九州アジアリーグでは2024年に優勝し、地元の人気球団として、現在も堅実に経営している。
独立リーグは、動画中継にも力を入れている。「故郷のチームを応援したい!」という都会に離れて暮らすファン層も拡大していくだろう。
いま社会の半分以上の人は、動画で情報を得ているそうだ。人気の本や映画も、多くの人はYouTubeから「あらすじ」を学習しているだろう。
5Gの浸透で、誰でも手軽に、いつでもどこでも動画が見られることが原因だ。ITがもたらした、行動変容の必然的な結果だろう。是非はともかく、人々の暇つぶしの時間の中心は、動画なのだ。
そして動画とプロスポーツは、大変に相性がいい。野球に限らずサッカーやバスケなど、動画配信に注力しているプロリーグは、間違いなく成長産業と言える。







