それ以外にも、知り合いの麻雀好きな社長たちの会社に話を持ちかけたけど、全部断られて1社も決まらず、計画は完全に暗礁に乗り上げてしまった。

 やはり会社のイメージ的に麻雀はまずいのか。国内で相当数の人がプレイし、認知度も高い麻雀がそんなに不人気なことを改めて痛感し、ショックだった。

 でも、もうプロ団体各社には協力を要請し、承諾を得ていたし、一部の麻雀プロには構想を話し、みんな目を輝かして期待してくれていた。自分の力不足と計画の甘さを認めざるを得ず、先が見えなくなった。

テレビ朝日の早河洋会長と
川淵三郎さんが手を差し伸べてくれた

 もう無理かも――。諦めかけたその時、突如として流れが変わった。きっかけはABEMAの事業パートナーであるテレビ朝日の早河洋会長の「やりますよ」の一声だった。

 Mリーグ構想に賛同してくれたというより、立ち上げに苦しんでいた私を見て、助け舟を出してくれたんだと思う。

 テレビ局が入ったことをきっかけに、博報堂、電通と参入が決まった。続いて麻雀ゲームを展開していたコナミとセガサミーが決まり、私の恩師であるU-NEXTの宇野康秀社長が決めてくれ、あとはサイバーエージェントが入って、7チームでなんとかスタートに漕ぎ着けることができた。

 結果的に、より歴史ある大企業がチームオーナーとして揃ったことは、長年、日陰の存在だった麻雀にとって大きなことだった。

 それと、この時、私にはどうしても会って話を聞きたい人がいた。JリーグやBリーグを立ち上げた川淵三郎さんである。

 私は川淵さんの著書を読んでいた。複雑な業界を1つにまとめてプロリーグを立ち上げる困難極まる仕事を成功させてきた唯一無二の人だ。なんとか会えないかと思っていたら、ゴルフをご一緒する機会に恵まれ、ホールアウト後のクラブハウスで「麻雀が好きだから協力するよ」と言ってくれた。

 そして、初年度から現在に至るまで「最高顧問」を無償で引き受けてくれている。川淵さんの名前が入ったことはMリーグに“箔がつく”という意味においても非常に大きかった。

 さらにメインスポンサーには大和証券と朝日新聞が入ってくれた。世間のイメージの悪かった麻雀を、誰もが知る金融企業と新聞社が応援してくれることは本当にありがたい。

 麻雀の場合は今のところお金だけでなく、信頼までスポンサーにお借りしているようなものだ。絶対にそのご厚意を裏切れないから、選手たちには不祥事だけは起こさないでくれと口酸っぱく言っている。

 私自身も気をつけている。