このプロセスをすると、あたかも仕事が進んでいき、プロジェクトのODSCの達成に向かっていく成功へのシナリオづくりになっていくようで、みんなワクワクしてくる。中にはODSCにたどり着いただけで拍手が起こる場合もあるほどだ。
お気づきと思うが、「○○をしたら、××ができるんですね?」は、因果関係で仕事の手順を確認する論理的な質問である。
この3つの質問をすることで、できあがった工程表のタスクとそれぞれのタスクのつながりは明確になるので、それぞれにリソースがどのくらい必要か、期間がどれくらいか見積もることも難しくなくなる。これで、プロジェクト成功への道のりを描いたバックキャスト工程表ができあがることになる。
この工程表のつくり方を詳しく知りたい人は拙著『最短で達成する 全体最適のプロジェクトマネジメント(注1)』(KADOKAWA)をご一読いただきたい。
極めて難度の高いプロジェクトで
開発期間を半減させたマツダ
世の中の既成概念を覆し、内燃機関であるエンジンでハイブリッド車並みの環境性能を実現するというイノベーションを起こしたマツダのSKYACTIVでも、バックキャスト工程表は使われている。
最初の導入は2007年のこと。1つのプロジェクトで実証実験し、プロジェクト期間が半減したのを受けて、瞬く間にパワートレイン部門全体に広がった。
現場の評判も良く、「段取りが良くなった」「リスク管理するクセがついた」「プロジェクトメンバーとしての自覚が上がった」「やるべきことが明確になった」「コミュニケーションが良くなった」「若手が成長し任せられるようになった」「モチベーションがアップした」「手戻りがなくなった」「仕事を忘れることがなくなった」「仕事の優先順位をつけられるようになった」「井の中の蛙にならず全体を見るようになった」「先手で手が打てるようになった」「マネジメントの判断が速くなった」「問題を早く解決できるようになった」などの声が寄せられている。
(注1)この本はゴールドラット博士の絶賛を浴び、博士の推薦を受けて、様々な国で教科書として使われている。息子のラミ・ゴールドラットによると、一日中、ゲラゲラ笑いながら、何度も何度も読み直し、何度もAHA!と叫んでいたらしい。後にも先にもこんなことはないとのこと。この本に紹介されている「プロジェクトの害虫」のまんがと多すぎる脚注が博士の心をとらえて放さなかったらしい。英語版はアマゾンで購入できる。Kindle Unlimitedなら無料だ。“Yuji Kishira”で検索してほしい。







