そこまでの莫大なコストをかけても、子どもが受かる保証はありません。精神的に追い詰められた状態で、時に教育虐待も招き、親子関係が崩壊する話もよく耳にします。

 遊びたい盛りの小学生が、青白い顔をしながら深夜まで勉強し、さらに中学、高校でも勉強漬け。しかもその勉強といえば、テスト対策の知識丸暗記…。

 僕が聞きたいのは、そこまでして受験するメリットって何?ってことです。

 学歴が意味を持つ時代が終わったとは言いません。でも、そこまでして得られる最高の成果が東大(じゃないかもしれませんが、日本では最難関と言われているので)なのだとしたら、人生的なコスパがいいのかちょっと疑問です。

 そもそもこれからの時代、「ペーパーテスト的丸暗記」とか、「偏差値」のような古い物差しは、かなり意味が薄れるような気がするんですよね。

学歴しか取り柄がない人材は
AIに取って変わられる

 ちょっと抽象的ですが、もっと「生きる力」が必要なんじゃないでしょうか。たとえば、自分で学ぶ力や創意工夫できる力、行動力、挑戦意欲、コミュニケーション能力といった「数値化しづらい力」のことです。

 子どもが将来、日本で就職するにせよ海外で働くにせよ、「大卒カード」を持っておくだけで選択肢の幅が大きく変わるという話を僕はよくします。

 しかし、日本独特の東大を頂点とする受験システム(18歳時点の学力をどこまで高めるかという競争)に関しては、かなり懐疑的な立場をとっています。

 比較的単純な作業を正確にこなすだけならAIに任せる時代に突入したので、親に言われるままに受験して「誇れるのは学歴です!」なんて人材なら、正直まともな企業は敬遠するんじゃないでしょうか。

 むしろこれからはAIにはとてもできないような、複雑な問題の解決策を見出すこと、新しい価値を生み出すこと、人間味が武器になるようなこと、誰もやっていないようなことを面白がってやることなど、生きる力や尖った個性が求められてくると思います。

親の介護が大変なら
行政に頼ってしまえばいい

 世界でも高齢化が進んでいる日本では、団塊の世代があと数年で80代に突入し、「親の介護問題」はますます大きな社会課題になっていきます。