スポーティな走りを
ジェントルに楽しめるのがEクラスの醍醐味
走らせた印象をお伝えしよう。乗り心地は当初少し硬めで、動き出しに重さを感じた。アクセルを踏み込めば速いが、その手前では特別なクルマに乗っているといった印象はない。アクセルを踏めばモーターでスッと動き始めるが、派手なことは何も起きなかった。
ところが、高速道路を走行中に追い越しをかけると、アクセル開度以上のトルクが発生してクルマを前へ押し出す。このモーターのトルク感は特別で、スーパーカーや大排気量車を彷彿とする力強さだ。さらにドライブモードを“スポーツ+”にするとアクセルレスポンスがクイックになり文字どおりのスポーティな走りを見せる。そのときのエンジンサウンドとエグゾーストサウンドもグッド。誇張された音がスピーカーを使ってキャビン内に響き渡る。ワルくない気分だ。このレーシーな音は車外で爆音になることはないのでご安心を。スポーティな走りをジェントルに楽しめるのがEクラスの醍醐味だ。
なんて感じで長い時間乗っていると、不思議にも当初硬めに感じられた乗り心地がちょうどよく思えてくる。このあたりは“メルセデス・マジック”といったところ。普段の足としてW212を活用しているが、いつもそれを感じる。長く乗れば乗るだけ体に馴染む乗り味なのだ。
というように体に馴染みながらスーパーな走りも楽しめるのがメルセデスAMG E53ハイブリッド 4マチック+エディションナイトカーボン。カーボンをふんだんにあしらった限定車だけに価格はそれなりにアップするが中身は充実。このクルマを日常使いするのが大人の余裕ってことなのかもしれない。
(CAR and DRIVER編集部 報告/九島辰也 写真/横田康志朗)









