では同じ意味の「馬」のつく名字はどうかというと、こちらは1000位以内に4つ入っている。最も多いのが「馬場(ばば)」で154位。これは武士が馬の調練をした場所に因むもので、全国に広く分布している。

 以下、「相馬」「有馬」「対馬」がランキング1000位以内のかなりメジャーな名字である。この3つはいずれも地名に由来している。ただし、「対馬」は長崎県の対馬よりも、愛知県の対馬に因む「津島」から漢字が変化したものが多いとされる。

正月らしく「おめでたい名字」について調べてみた

 こうした様々な名字のなかから、今回正月ということで、「おめでたい名字」について見てみたい。

 日本人の名字の大半は地名に由来している。というのも、名字は家と家を区別するために生まれたため、「○○に住む△△さん」といったときの「○○」の部分が固定して名字となったのがルーツだからだ。

 もともとは、京都で公家が自分の屋敷のある地名をとって「~条」「~小路」と名乗ったり、平安時代に生まれた武士たちが、自分の支配する土地を明確にするために地名を名乗ったりしたのが始まり。やがてこうした文化は庶民の間にも広がり、各自が自分の家のある場所の地名を名乗るようになった。

 こうして地名をルーツとして生まれた名字だが、人口密度の高い日本では同じ地名にたくさんの家があることも珍しくはない。このような場合に皆がその地名を名乗ると家同士の区別がつかなくなる。そこで、地名を名乗れるのはその土地の有力者や、そこを開墾した人、最初に住んだ人などに限定され、それ以外の人は家のある場所の地形や風景、村の中心からの方角、自分の職業などを名字とした。そして、しばしばそれらに縁起のいい漢字を当てた。

 当時の人はとても言葉を大切にした。「言霊(ことだま)」という言葉があるように言葉には魂が宿っており、良い言葉を発すれば良い結果が訪れ、悪い言葉を発すれば悪いことが起こると考えられていたからだ。