「かわいがってる」はNG
「優秀」を言い換えるには?
例えば、特定の部下や若手を第三者に紹介するとき。つい、「○○君は、僕がかわいがってる後輩でね」「前から買ってるんだよね」などと言ってしまったことはないでしょうか。
魅力的な後輩だと伝えたい気持ちはわかりますが、「かわいがっている」「買ってる」「お気に入り」などは上下関係の意識があるからこそ出てくるワードです。まるで所有物のようだと感じる人も……。言うまでもなく、取引先には使わないですよね。
また褒めるつもりで使いがちな、「優秀」「使える」といったワードも要注意。上から目線だったり、人をモノのように扱っていたりする印象を与えかねません。
部下や後輩を褒めたいのなら、その人自身を上から評価する表現を使うのではなく、その人の仕事ぶりを褒める、仕事の変化を褒めるようにすると良いと思います。
例えば、「この提案書すごく良くなったね」「3ページ目が良いと思いました」「完成度が高まってきましたね」など、その人の仕事に注目してみましょう。
また、状況を問わない“褒めワード”としては、「仕事がしやすい」がオススメです。発言者が自分自身の感想として、相手に対するポジティブな印象を伝えることができる。万能ワードだと思います。
若手や部下への声がけに迷ったら、まずは「取引先にも同じ言い方ができるのか」を考えてみてください。
対等かつ平等に接するのが
職場コミュニケーションの鉄則
五百田達成さんの著書『会話IQ 本当に頭がいい人の話し方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
もう一つ、対等と同じように大事なキーワードがあります。平等です。
部下、若手とのコミュニケーションで上下関係をつくらない、対等なビジネスパーソン同士として話をする。これを「誰に対しても、いつでも同じように行う」ことが重要なのです。
例えば、部下のAさんは「○○さん」とさん付けで呼び、取引先のように接している。一方で、Bさんは「○○君」と呼んでフランクに接している。部長のCさんには、こびへつらっている。
あるいは、この日は普通にコミュニケーションが取れたのに、別日では「そんなこともわからないのか!」と怒鳴られたというように、日によってコミュニケーションのトーンにムラがある。
部下や周りの社員は、このように相手やタイミングによってコミュニケーションに違いがある上司をどう思うでしょうか?
「えこひいきしている」「気分屋」といったネガティブなイメージにつながりかねません。
部下は、「上司がいつ、誰に対しても平等であるのか」をよく見ています。一対一で対等なコミュニケーションをすることと同様に、平等なコミュニケーションも心がけたいところです。
気の利いた言い回しも、気遣いの言葉も必要ありません。対等で平等でさえあれば、シンプルな声がけで十分なのです。







