つまり、山上被告の目的というのはあくまで「旧統一教会に打撃を与える」ということであって、そのための手段、世論の注目を集めるという目的のため、安倍元首相は巻き込まれて殺されたのである。
崇高な目的を達成するためならば、無関係な人が巻き込まれて死ぬことも「必要な犠牲」という「暴力革命」を掲げるテロリストと、基本的な考え方は一緒である。
ただ、こういう話をすると反安倍・反自民の方面からは「巻き込まれたわけではない!安倍元首相は三代にわたって旧統一教会とズブズブであって、信者拡大のための宣伝塔だったのだから山上被告に恨まれるのは当然だ」というような指摘が入るのだが、法廷ではそんな話は出ていない。
これは「国家ぐるみの隠蔽」とかではなく、そもそも、この世界観は一部メディアが唱えていた“ストーリー”に、元首相殺害後のメディアスクラム(集団的過熱報道)に浮かれたマスコミ各社が乗っかっただけの話である。
まず、大前提として、安倍元首相は「崇教真光」という宗教団体の信者である。教団の会報誌の中でちゃんとご自身が告白している(2022年08月17日 FRIDAYデジタル https://friday.kodansha.co.jp/article/258916)。
また、首相在任中に幾度となく集会に参加した保守系団体「日本会議」は、神社本庁をはじめさまざまな解脱会、念法眞教燈、大和教団教主など保守系宗教団体が相乗りしており、先ほどの崇教真光も名を連ねている。日本会議が自民党候補者を選挙で支援をしているのは、周知の事実だ。
つまり、自民党内というのは「宗教票」によって成り立っているところもある政党なので、安倍元首相にとって、旧統一教会も「選挙のたびにお世話になる、たくさんの自民系宗教団体のひとつ」に過ぎないのだ。
安倍元首相が旧統一教会に特別に便宜を図ったとか、最高権力者の力を使って何か事件を闇に葬ったとかの事実があるわけでもない。関係団体にビデオメッセージを送ったのが癒着だというが、政治家は支援者や友好団体に頼まれたら、どんな会合にも顔を出し挨拶をするのが仕事だ。







