筆者は安倍氏がトランプ大統領とともに、ビデオメッセージを送ったこのイベントを今年、会場で取材をした。トランプ大統領の宗教顧問で、ホワイトハウス信仰局のポーラ・ホワイト牧師や、米共和党の重鎮議員をはじめ世界中のVIPが来ていた。教団関連イベントに挨拶を送っただけで殺されなくてはいけないのであれば、世界中で大虐殺が起きなくてはいけない。
ちなみに、よく「旧統一教会と安倍元首相の蜜月」の根拠とされる、憲法改正や夫婦別姓という政策が旧統一教会によるものだとか言っている人もいる。だが、これは今述べたような日本会議系の宗教団体の多くが主張していることだ。
そもそも、アクティブに活動をする信者は数万人だ。信者数827万世帯(公称)を誇る創価学会ならば自民も安部元首相も気を遣う理由があるが、旧統一教会と癒着して、法を破ってまで便宜を図ってやる理由などないのだ。
つまり、安倍元首相が旧統一教会とズブズブで、この教団と組んで日本政治を裏で牛耳ってきたみたいなストーリーは、ちょっと調べたらわかる荒唐無稽な「犬笛」なのだ。
山上被告も弁護団側も「安倍元首相は旧統一教会とズブズブで教団に便宜を図っていた」などと法廷で主張していないことが、その証左である。
さて、このような話を聞くと「じゃあ事件当時、テレビも新聞も“自民党の闇”とか言って安倍さんと統一教会の関係をさんざん報じてきたのはあれはなんだ」と思うだろうが、それは周辺情報から取材するしかなかったため、「わかりやすいストーリー」に飛びついてしまったのだ。
例えば当時のメディア報道では「山上被告は極貧の中で育って、信仰にのめり込む母親が海外に布教に行くせいで食事を与えれらないなどのネグレクトにあっていた」とか「巨額献金による経済的困窮で大学に通えなかった」というショッキングな家庭環境が盛んに語られたものだが、法廷ではそういう話は出なかったようだ。
母親が海外布教に行ったのは山上被告が成人した25歳からで、大学に関しても予備校に通って私立大学に合格したが、偏差値が低い大学だったため、山上被告自らの意志で通わなかかったという。







