先ほども述べたように、山上被告は自身も認めるように「教団に打撃を与える」という目的を達成するため、社会に衝撃を与えられる安倍元首相を狙った。ずっとつけ狙っていたわけではなく、教団幹部の代わりに急遽、計画したと本人も認めている。
警察庁組織令第第四十条で「テロリズム」というのは「広く恐怖又は不安を抱かせることによりその目的を達成することを意図して行われる政治上その他の主義主張に基づく暴力主義的破壊活動をいう」と定義されている(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329CO0000000180/#Mp-Ch_5-At_43-Pr_1-It_3)。
どう見ても山上被告がやったことはこれにあたる。どんなに不幸な生い立ちであっても、やはり許されることではない。「戦後、暴力主義的破壊活動に最も成功した人物」を司法が肯定することになるからだ。
かつて山上被告のSNSでそう投稿していたように今、自分自身を社会から抑圧された「弱者男性」だと思っている人は多い。そういう不遇の人からすれば、手製の銃で元首相を殺害することで、憎き組織を崩壊に追いやるだけではなく、この社会も大きく変えたというのは「希望」になってしまう。
ましてやそんな「暴力主義的破壊活動」が社会から同情・共感を得て、減刑までされるとなれば、テロリズムを起こすハードルを下げてしまうではないか。
そういう社会になるのを防ぐためにも「減刑」はダメだ。「テロリストに名を与えるな」を失敗してここにきてさらに「テロリストに共感するな」も失敗したら、もう目も当てられない。
山上被告からすると不本意な量刑かもしれないが、自分の目的のために関係のない人の命を奪ったことをしっかりと反省してもらい、遺族である安倍昭恵夫人に対して、心からの謝罪をしていただきたい。








