当時の手取りは、夫婦それぞれ約32万円。住宅ローン(月14万円)はユウジさん、食費や日用品、水道光熱費など(月9万円前後)はナオミさんが負担。それ以外は各自自由という形です。世帯全体では、毎月5万〜6万円の黒字が出ていました。
それぞれが管理している貯金額や保険料、スマホ代についても、聞いたことも話し合ったこともありません。家計の話をしなくても生活が回っていたため、特に問題意識を持たずに過ごしてきたのです。
妻の退職が引き金に
歯車が狂い始めたのは3年前。ナオミさんの持病が悪化し、家庭と仕事の両立が難しくなって退職したことがきっかけでした。
それまでは、食費や日用品、水道光熱費、子どもの学校関係や教育費などを、当たり前のようにナオミさんが支払い、さらに自分自身の支出もまかなっていました。しかし退職すると、当然ながら収入はゼロになります。
しばらくの間、これまでナオミさんが負担していた生活費をユウジさんに支払ってほしいとお願いしたところ、返ってきたのは強い拒否でした。それどころか、「仕事を辞めたこと」自体をかなり厳しく批判されたそうです。
夫婦関係が悪化すれば、子どもに悪影響を与えるかもしれない。そう考えたナオミさんは、体調が回復して再び働けるようになるまでの間は、「自分のお金で何とかするしかない」と腹をくくりました。
貯金と退職金を切り崩す日々
定期的な収入がない中で頼れるのは、これまでの貯金約400万円と、20年間働いて得た退職金約500万円。企業年金が約200万円ありますが、これは60歳まで引き出せません。
ほかに雇用保険の失業給付もあります。本来なら体調が整い、しっかり仕事を探せるようになってから手続きをしたかったものの、夫の言動を考えると、できるだけ早く働く姿勢を見せなければ不満を募らせてしまう。そう判断し、体調に無理のない範囲でパートを探しつつ、失業給付の手続きを進めることにしました。
退職直後は貯金を生活費に充て、退職金の受け取りを待ち、失業給付が何日分、いくら受け取れるのかを一つひとつ確認。幸い150日分の支給が決まり、最大で5カ月ほどは生活費に充てられると分かり、ひとまず安堵したそうです。







