「おじさん構文」「俺通信」の特徴と下心

 おじさん構文は、「カナ」と語尾だけカタカナにする、読点が多いなどの特徴があります。また、こちらをいたわるように見せて食事に誘うなど、そこはかとない下心が垣間見えます。さらに、「ナンチャッテ」や「(^_^;)」などの顔文字によって冗談のようにごまかすことも多いです。

 おじさん構文の派生で、「俺通信」というのもあります。俺通信とは、「今日のランチはラーメンでした」「そろそろ寝ます」など、受け取り側としては特に必要も関係もないLINEを女性に送ることを指します。

 このおじさん構文が2025年、楽曲になりました。「吉本おじさん」が作詞作曲、バーチャルシンガーの雨衣(うい)が歌う「お返事まだカナ?おじさん構文!(feat.雨衣)」は、2025年6月のBillboard JAPANチャートで2位に初登場。SNSにはMVのアニメ風キャラクターのダンスを踊る動画があふれ、大人気のアイドルグループ「CUTIE STREET」もダンス動画を投稿しています。

ネットで大ヒットした「お返事まだカナ?おじさん構文!/雨衣」。歌っているのは人間ではなく、人気VTuberしぐれういさんの声を元にしたボイスライブラリ(いわゆる「ボカロ」)でつくった曲である点も面白い
上と同じ曲を、ボカロの元になったしぐれういさん本人が歌っている”カバーバージョン”

 この楽曲には、おじさん構文あるあるが詰まっています。タイトルの「お返事まだカナ」と返信を催促する様子や、「お寿司を食べたよ」と俺通信を送られていることが歌詞に入っています。でも「愛を言葉にできるのは才能かもです」と、迷いつつ対応している女性の心理も入っています。ポップでリズミカルな楽曲なので、おそらくおじさん世代も不快感を持たずに楽しめるのではないでしょうか。

「〇〇構文」は他にもあり、「小泉進次郎構文」(小泉進次郎防衛大臣の言い回しを真似たもの)や「ちいかわ構文(漫画「なんか小さくてかわいいやつ」のセリフを真似たもの)」などが有名です。