最近はさらに、新たな構文が生まれました。
それは「マコモ湯構文」です。発祥は「マコモ」というイネ科の植物を入れたお風呂を推奨する動画のセリフで、「実は私、〇年〇〇してないんです!」「〇〇って知ってますか?」という形式が構文として使われています。
使い方としては、「実は私、1年半宿題やってません。宿題恐怖症って知っていますか?」、「実は私、1年半ちゃんと寝ていません。育児って知っていますか?」などがあります。元ネタが明るくはっきりとした発声で話していたため、その言い切りぶりが面白いとして流行りました。
「お返事まだカナ?おじさん構文!(feat.雨衣)」は、サイバーエージェントの「Z世代ヒットトレンドランキング2025」で21位、マコモ湯構文は同ランキングで17位に入っています。
生まれては消える「ネットミーム」の世界
「〇〇界隈」、「〇〇構文」のどちらも、TikTokを中心とした「ネットミーム(Internet Meme)」により流行しているものです。
ネットミームとは、元となるネタをネットを通じて他の人達が真似をしたり作り替えたりしながら広がっていく文化です。共感を生みやすいネタ(界隈)や誰もが真似しやすいネタ(構文)は特にミームになりやすい特性を持っています。
TikTokはアプリを開くと「おすすめ」動画が自動再生される仕組みで、おすすめされた動画をそのまま見続けるユーザーが多いプラットフォームです。そのため、おすすめに載ると急速にバズる可能性が高いのです。また、真似をしようと思ったとき、その動画の「使用されている楽曲」をタップするだけで同じ楽曲で動画を作成できるなど、簡単に動画を作成できる仕組みもあります。「やってみた」「踊ってみた」という文化もあり、上手にできていなくてもユーザーが温かく受け入れます。
一般的にネットミームは短期間で流行り、数か月後には「古い」とされてしまいます。しかし、「チャリで来た。」(男性が集合しているプリントシール画像)など、ネットミームとして長く愛されているケースもあります。ネットミームは「みんなで作り上げた文化」と感じている人々が多いため、ポジティブに受け取られることが多いのです。
言葉の意味が変化したり、新しい解釈が生まれたりと、時代の変化は新たなカルチャーを生み出します。若者が楽しんでいるネットミームに歩み寄ってみると、新たな価値観や発想が生まれるようになるかもしれません。








