もっともいつもキャラクターで免罪されるわけではない。
暴言キャラのイメージがある千原せいじは、自身のYouTubeに戸田市議会議員の河合ゆうすけ氏を呼んだ際、「お前、いじめられっ子やったやろ。いじめられっ子オーラいかついで」との発言がネットで大炎上。7月には日本仏教協会の顧問を辞退することとなった。さらにすぐに行動せず、謝罪まで約2カ月もの期間が開いたことでより批判を集めた。
千原の暴言は河合氏だけでなく、いじめられた経験を持つ人間全体をバカにする言葉であったこと、また嘲笑しながら「いじめられっ子やったやろ」との発言が、いじめっ子そのものの行動であったことが、世間の怒りを買った。2025年のワースト暴言といえる。
暴言というのは時代認識のずれによって起こることがあるが「まだその感覚だったの?」と呆れることも多い。
ジャーナリストの田原総一朗氏は10月19日放送のBS朝日の政治討論番組「激論!クロスファイア」で、立憲民主党の辻元清美氏、社民党の福島瑞穂氏が自民党の高市早苗総裁を批判した際に「あんなやつは死んでしまえと言えばいい」と焚き付けた。
SNS上では高市総理に対し、田原氏が「死んでしまえ」と発言しているように捉えられたことで炎上。番組はこの回をもって終了となった。
田原氏の間違いは「死ね」という言葉がネット上などで現在、いかにタブー視されているか知らなかったことだろう。
いまやSNSだけでなく、お笑いのツッコミにおいても「死ね」などの乱暴な言葉を聞かなくなっている。現代は「死ね」「死んでしまえ」などの暴力的な言葉に免疫が薄くなっている状況であり、田原氏の言葉が炎上するのは当然の帰結だった。
こうした現代の常識を逸した言動は何も年配の人間だけではない。男性アイドルグループ「timelesz」の篠塚大輝が11月に「めざましテレビ」に出演した際に、童謡「大きな古時計」の不謹慎な替え歌「今は、もう動かない、おじいさんにとどめ~」と若者が高齢者に暴力をふるうような動きをしたことで「不適切」などと大炎上した。







