「人の心に響く」仕事ができるかどうかは今後、自分のキャリアを考えるうえで重要なポイントの1つになると思います。
我々の人材紹介という仕事も、転職希望者が自分の希望に沿った求人を探し、必要な情報を集めて比較し、判断するという一連のプロセスは、それこそAIエージェントを使って効率化されていくでしょう。スキルや経験が十分でないキャリアコンサルタントを介するより、こちらのほうがずっと良い結果になるかもしれません。
しかし、転職希望者自身が気付いていないキャリアの可能性を提示して新たなチャレンジを後押ししたり、企業が「ぜひ欲しい」と考えている人材にその熱い思いを伝え、働きかけたりするような仕事はAIにはできません。
要するにさまざまな選択肢があり、人材、企業の双方にとって大きな決断が必要となる転職という場面で人の心に働きかけ、動かすような仕事は人間が行うしかないということです。
世の中ではいろいろなところで決断が必要な場面が発生します。これは業種、業界を問わず、エグゼクティブでも現場の最前線でも変わりません。重要な意思決定を行う当事者になるか、あるいはそうした人たちに信頼され、相談される「人の心に響く」仕事ができているか。年の変わり目に一度、自身のキャリアに当てはめて考えてみるとよいと思います。
高市首相で変わる働き方の潮流
また、これからの働き方を考える上で注目しておいたほうがよいのは、政府の雇用・労働政策の動向です。
2025年の新語・流行語大賞では高市早苗首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」が年間対象に選ばれました。首相本人の意気込みを表した言葉ですが、従来の「働き方改革」とは異なる流れです。国のトップが変われば、世の中の雰囲気が変わることもあります。
例えばこれまでは副業が前向きに捉えられてきました。しかし、実際に依頼主として副業する人に仕事を頼んでも、結局「責任のある業務は任せられない」という企業の声もあります。「副業をする暇があったら本業に集中すべし」という意見が強まるかもしれません。
2025年10月に高市首相は「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討」を指示しました。一方では「つながらない権利」のガイドライン策定等を含む労働基準法の改正が議論されており、2026年の働き方の潮流をつかむにはこうした動向にも目配りしておくべきでしょう。







