さらにボルテージをあげてこう宣言した。

「来年から〔撤去要請活動への〕議長の出席は認めません。単に、防衛省に要請文を提出しても何も変わらないからです」

毎年の撤去要請は
惰性で続けているだけ!?

 撤去要請に異を唱える真意はどこにあるのか。会派を仕切る65歳の榎本氏が取材に応じた。

 異色の経歴の持ち主で、自身のホームページのプロフィール冒頭で「〔英国の高級自動車メーカー〕元ジャガーのセールスマンとして日本一ジャガーを売った男」と謳う。退社後はプロの釣り師になり、目の当たりにした東京湾の汚水放流問題を解決しようと2011年に区議になったという。ボートやクルーザーの教習所を経営する事業家の顔も持つ。眼光は鋭いが、飾らない性格で、もの言いはストレートだ。

 港区や議会が行う毎年の撤去要請を「正月のお参りと同じ」と批判し、こう続ける。

「われわれも米軍にはいずれは出て行ってほしいと思っているんです。やっぱり未だに続く占領政策だと思ってるしね。でも、返せって言ったって返さないじゃん。一方的に非難したり、文句を言ったりしても相手は扉を開かない。目的は同じでも、われわれは現実路線なんですよ」

 榎本氏が思い描くのは、赤坂プレスセンターのヘリポートを日米で共同管理・運用することだ。

「港区内でヘリが24時間離発着できる〔地上設置型の〕施設はあそこだけ。それなのに港区は基地の恒久化につながるという理由で、センターを使った国や東京都との防災訓練に参加しない。区の防災計画にセンターの活用も入れていない。防災計画に書いてないことは災害時に実行できないわけですよ」

共産党から自民党まで
既存の会派は撤去要請で意見が一致

 そのうえで、こんな「交渉戦略」を披露した。

「都内には万単位の米国人が住んでいる。災害時には彼らも日本の自治体の助けが必要になる。だからヘリポートを共用にして災害時の避難計画を一緒につくろうと提案する。そうすれば、対話のチャンネルが生まれる。

 お互いの意見が反映された運用ルールづくりを提案できるし、米軍が低空飛行をしたら文句も言える。対話の中で、お前たち、もう六本木にいなくていいんじゃないって言えたら最高だと思ってますよ」