不機嫌そうな中年男性ビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

「新卒の初任給が40万円? 俺の給料と変わらないじゃないか…」。ニュースを見て怒りに震える40代社員は少なくないはずだ。人材獲得競争で高騰する初任給に対し、上がらない既存社員の給与――。しかし、不公平感から安易に転職を考えるのは危険だ。実はその「高額初任給」には、メディアが報じない数字のカラクリがある。さらに、自社の「給与カーブ」を見れば、経営陣からの“ある残酷なメッセージ”が読み解けるという。感情的な退職で後悔する前に知っておくべき、給与の真実とは。(クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)

やってられるか!
新卒入社の給料が高すぎる

「まだ何もしていない新卒の初任給はどんどん引き上げるのに、この会社を支えてきた自分の給与は上がらない……」

 最近はそんな不満を持っている人がいるかもしれません。

 多くの企業が初任給の引き上げに動いています。産労総合研究所の調査では2024年4月入社の初任給を「引き上げた」企業は75.6%。これは前年から7.5ポイントの増加で、同様の質問項目を設けた1997年度以来、最も高い数値です。

 少子高齢化で若年層が貴重となるなかで、他社が初任給の引き上げに動いている以上、自社も引き上げなければ採用競争に負けてしまう。そんな状況がうかがえます。

 一方、既存社員の賃上げも進んでいますが初任給ほどの上昇でなければ、結果的に既存社員の不満が高まってもおかしくはありません。

「じゃあ、転職するか……」

 そう頭に思い浮かぶ人もいるでしょう。しかし、安易にそう考えてはいけません。ここを間違えると、重大な誤った判断をしてしまう恐れがあります。