いま世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーとなっているのが『STOP OVERTHINKING ── 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』だ。Amazon.comでも13,000超のレビューで世界が絶賛する話題書についてライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【人間関係】三流は「思い込む」、二流は「気にしない」、では一流は?Photo: Adobe Stock

なぜ、見えない人の態度を
気にしてしまうのか?

 私は基本的に、ビジネスメールでは句点をつける。

「了解です。」
「承知しました。」

 ただ、仕事であっても慣れた方とやり取りするときは、「了解です!」「ありがとうございます!」と書くことがある。

 だから、普段「!」を使う人が急に使わなくなると、「あれ、私なんかやらかしたかな?」と一瞬ドキッとすることがある。

 逆に、取引先の無茶ぶりがあまりにひどくて、「さすがにこれは困る」という気持ちを伝えたいとき、あえて「!」を使わず句点だけで返信したこともある。

「マルハラ」という言葉があることにビックリしたけれど、私も無意識のうちに句点で感情を操作していたのだと思う。

 結局、私たちは、行間の温度や句点で「意味」を読み取りながら、自分の世界を構築している。そしてそれは、相手にも伝わっているかもしれないし、まったく伝わっていないかもしれない。

ベストセラー『STOP OVERTHINKING』の教え

 この1月も日本で話題となっている、全世界150万部突破のベストセラー『STOP OVERTHINKING』の著者ニック・トレントン(行動心理学修士)はこう述べている。

客観的な証拠を用いることで、自分を制限している思考や役に立たない思考を合理的な思考に再構成できる。
――『STOP OVERTHINKING』(P.204)より

 感情の読み取り方には、驚くほど個人差がある。

「了解です。」という文面でも、ある人は冷たく感じ、別の人は丁寧だと思う。
 絵文字がないと不安になる人もいれば、絵文字が多いと馴れ馴れしく感じる人もいる。
 既読スルーを「無視された」と受け取る人もいれば、「忙しいんだろう」と思う人もいる。

 ここで起きているのは、現実の違いではなく、思考のフィルターの違いだ。

 私たちは皆、過去の経験や不安、期待をもとに「きっとこういう意味だろう」という解釈を加えている。それが行きすぎると、証拠のないストーリーを自分で作り出してしまう。

「マルハラ」という言葉が生まれたのも、この思考フィルターの違いが具現化された結果かもしれない。

「三流」「二流」と「一流」は何が違うのか?

 三流は「感じたことを事実と思い込み」、二流は「気にしていないと装う」。
 だが、一流は、「感じたことを鵜呑みにせず、客観的な証拠を探す」。

「もしかしてこういう意味かもしれない」と決めつけずに、「どういう意図だったんだろう?」と一度立ち止まる。

 本書を読んで気づいたのは、物事の「見方」を変えれば、「感じ方」も変わるということ。

 感じたことをそのまま信じるのではなく、一歩引いて確かめてみる
 それだけで、世界の輪郭が少し柔らかくなる。

 人間関係のややこしさは、他人の言葉ではなく、自分の思考のフィルターが生み出している。本書でそれに気づけただけでも、少し世界の見え方が変わってくる。

(本稿は『STOP OVERTHINKING ――思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』に関する特別投稿です)