成年後見制度を利用する
成年後見制度は使い勝手が悪いと言われますが、それは法定後見を指していて、任意後見制度はとても良いと私は考えています。本当にざっくりですが、そのポイントをお伝えします。
太田垣章子(おおたがき・あやこ) 司法書士、賃貸不動産経営管理士、合同会社あなたの隣り代表社員。30歳で生後6カ月の長男を抱えて離婚、働きながら6年の勉強を経て2001年に司法書士試験合格。2006年に独立、2012年に事務所を東京へ移転し、2024年5月よりコンサルティングと情報発信を軸に現職へ。家主側の訴訟代理人として家賃滞納の明け渡し手続きを延べ3,000件近く担当し、現場重視で滞納者の再出発にも伴走する“賃貸トラブル解決のパイオニア”として知られる。「住まいは生きる基盤」を掲げ、人生100年時代における“家族に頼らないおひとりさまの終活”を提言。全国賃貸住宅新聞での長期連載をはじめ、現代ビジネスなど各種媒体に寄稿し、年間60回超・累計700回超の講演で実務と制度の接点をわかりやすく伝えている。著書に『家賃滞納という貧困』、『老後に住める家がない!』、『不動産大異変?「在宅時代」の住まいと生き方』、『あなたが独りで倒れて困ること30』(すべてポプラ社)、『死に方のダンドリ』(共著、ポプラ社)などがある。
任意後見制度は、自分が主役です。自分の判断能力が衰えたときに、どうしてほしいのか、どのような生活がしたいのか等を予め自分で決めます。そして自分で選んだ代理人と、契約をしておきます。契約したからって、その時から何か制限されるわけではありません。元気で判断能力がある間は、自分で日々を楽しんでください。
任意後見契約は、判断能力が衰えた時の保険のようなものです。万が一衰えた時に、任意後見人が業務をスタートする、そのようなイメージです。
一方のあまり良くないとされている法定後見は、自分の判断能力が衰えた時に、裁判所が代理人を選任します。基本は財産の管理です。後見人も本人の真意を確認することができません。そのために事務的に対応するしかできないのです。でも何も備えていないから、仕方がありません。
自分で自分の思い通りに生きたい、誰しもが思うでしょう。誰だって認知症等にはなりたくないと思っているはずです。でもこればっかりはコントロールができないので、任意後見契約という「保険」を用意しておけば、万が一の時にも自分が望んでいたことをしてもらえます。
自分の人生を生き抜くためにも、「自分も衰える」ということを想定して、備えておきましょう。そうすれば賃貸物件だって、貸してもらえます。備えがないから、人生後半戦を生きづらくなってしまうのです。嘆く前に、備える! 最後まで自分の人生を、自分で決めて楽しく過ごしましょうね。
貸してもらえないと嘆くのではなく、貸してもらえるように、備えましょう!








