マーテルはこう説明する。

「本気ならば、思い切り飛び込まなきゃいけないときがある。飛び込む必要があるから、ではなく、そうすることで、良い結果が出る可能性が最大になるからだ。『優先順位を決める』とか『断るときは断る』ということではなく、自分がもっと生産的になるために適切な環境を整えるということだ」

 このように戦略的に設計された強制機能は、あなたを強制的に「今」と「自分がしようとしていること」に集中させるため、フローをトリガーする役割を果たす。

 フローとは、ある活動に完全に没頭して夢中になっている精神状態であり、フローにいるときは、活力に満ち、集中力が高まり、完全に打ち込んでいる状態になる。

 フローは、集中力が半ば散漫になった状態(何かタスクをしているとき、ほとんどの人はこの状態だ)ではなく、完全にその瞬間に集中しているときにだけ起こる。その瞬間にしっかりと存在している状態だ。

 フロー状態のとき、あなたの環境と目標はひとつになっている。

 このレベルでの意識では、時間の流れがゆっくりになり、自分の状況を認知的にもっとコントロールできるようになる。

 つまり、自分の環境に多くの「フロー・トリガー」を仕込めば仕込むほど、あなたはもっと今に集中できるようになり、パフォーマンスも向上するようになる。

「強化された環境」では
フロー状態が自然に起こる

 典型的な事務職の会社員に対する期待値は、一般的に(大変な仕事だと感じるものの)非常に低い。

 仕事の指示は受けるが、これまでしたことがない何かをするよう求められることは、めったにないものだ。

 大きな責任を伴う役目を無理やり押し付けられたりするわけでもない。毎日の進捗を記録して報告するよう求められることもない。結果を出せなくても、大した問題にはならないか、そもそも問題にすらならない。

 そのため人は、デスクの上にスマホを出したまま、インターネットブラウザのタブを複数開けて気が散る状態にしたまま、仕事をしている。