ちなみに、この10年の地価は全国的に都市圏ではほぼ横ばい以上で推移し、地方でも最大年2%程度の下落で済んでいる。非常に安定しており、資産価値が大きく変動しないということだ。

 車の残価買取の様に、次の新車を買わせるためのインセンティブはこの制度にはない。このため、買い手が買取価格を高く設定する意味がない。あくまでも市場売却以外の残価買取という選択肢が増えたと考えて、両天秤で得な方を選べばいいことになる。

月返済額を劇的に下げて
金利を長く払い続ける「返済軽減」

 もう1つの特徴「返済軽減」は、多くの人にニーズがありそうだ。60代以降は収入が減る傾向だ。現役世代並みの月の返済は厳しい人もいるだろう。住み替えをせず住み続ければ、残価設定後の月返済額は確かに劇的に下がる。

 それができる理由は、建物価値が既にかなり下がっていて、売却価格のほとんどを占める土地代が査定できてしまうからだ。これなら残価設定できる会社はたくさん出てきそうだ。

 残価ローンの意味合いは、元本返済を劇的に減らして金利を長く払い続けることと同義になる。残価ローンのホームページの50歳で1938万円の残債を残価ローンに切り替える試算例に従って金利を計算すると、80歳時点までで金利が210万円増えて、その後は毎年15万円利払いが残り、90歳時点では合計360万円金利負担が増えている。

 40年で360万円の金利負担なので、年9万円・月7500円平均なら支払いが少ない方がいいと考える人もいるだろう。

 ちなみに、当連載「不動産会社の「許せない手口」の実態…お金に困った高齢者への殺し文句に要注意」で書いたセールスアンドリースバックより今回の残価ローンの方が条件はいい。また、リバースモーゲージより金利が安くなりそうなので、戸建てを取得する場合には利用範囲を確認しておいた方がいいだろう。