ここでポイントとなるのは、たとえ最初に「ハァ?」と「受け止め言葉」を使ってしまったとしても、その後「ワオ!」と思い直せばいいということ。一度イライラしてしまったとしても、イライラを受け流すことができて、心の中の風景がガラリと変わるのです。

 実は、心の中でつぶやく言葉とは、方向指示器のようなもの。この次にくる言葉がどんな方向になるのかは、最初の言葉が決めるのです。

 不思議なもので、「ワオ!」の後に「ふざけないでよ」「いいかげんにしてよね」などの怒りは続かないのです。

 その代わり、こんな言葉が続くはずです。

「びっくりしたなあ、どうしようかな」

「ちょっと予想以上だなあ」

「ナナメ上すぎない?」

 など、イラッとした気持ちとは違う方向に心が動いていく。

 言葉を発するのは、その後です。すると、怒りの態度ではなく、「なんでそんなことが起きたんですかねぇ」と質問するなど、安定した態度を取ることができます。

 ポイントは、心の中の言葉を変えると、その後に怒らない気持ちがついてくるという順番です。

 先に感情を変えようとしても、それは難しいもの。

 だから、先に「心の中の言葉を変える」。すると「自然とその後の気持ちが変わってくる」という方法です。

かわし言葉を使っても
切りかえができないとき

(2)クッション言葉を言う

 この心の中の言葉を変えるだけでは、瞬間的に態度まで変える余裕が生まれない時もあります。

 理不尽なことを言われた時、責められた時、すぐには切り替えられないほどのイライラが心の中に生まれてしまうこともあるからです。

 そんな時は、「クッション言葉」を使います。

 まだイラッとしている状況の最中に、急いで何か言葉を発しようと思うと、そのままの感情を出してしまうことになりかねません。

 相手が目の前にいるから、何か言わなくちゃと焦ってしまうあまり、「は!?なんでですか?」など、強い口調と態度が出てしまうことがあります。

 そんな時、急いで意味のある言葉を言う必要はありません。これも「感情の作法」のひとつです。