嫌な態度を取りそうになったら、あまり意味のない言葉――クッション言葉――を口に出して、感情のリングから降りる時間を稼ぎます。

「そうなんですね」

「そうだったんですか」

「それは難しい問題ですね」

 ここではイエスでもなければノーでもない、あまり意味のない言葉である方がいいです。

 なるべく余計な感情を込めず、淡々と言い、とりあえず時間を稼ぐのがポイントです。

相手が放った言葉から
その意図や背景を探る

(3)「なんでこの人はこういうふうに言ったのかな?」と、背景を考える

 とりあえず返事をして時間を稼いだら、「なぜだろう?」と考えてみます。

「何か誤解している?」

「この人、状況を把握できていない?」

 というようなことから、

「私にだけ八つ当たりしている?」

「体調でも悪いのかな」

 など、いろいろな可能性を考えてみます。

 そんなに正しく分析できなくてもかまいません。

「なぜだろう?」と考えることで、目の前にいる相手の言動へのイライラから、原因の分析へとフォーカスが切り替わっていく。これが大事なのです。

『感情の作法』書影『感情の作法』(橋本真里子、サンマーク出版)

「なぜだろう?」を考えるのは、言語や思考を司る前頭前野の役割です。

 ここが働き始めることで、怒りや不安を感じる扁桃体の暴走は、自然に収まっていきます。

「いかに身を守るか」という戦闘モードから、思考モードに切り替えていくことができます。

 この3つを実践してから、初めて意味のある言葉を出します。

 すると「もしかして、誤解があるかもしれないなと思うんですけど……」など、イラッとした態度ではなく、安定した態度を取ることができるようになっています。