いま世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーとなっているのが『STOP OVERTHINKING ── 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』だ。Amazon.comでも13,000超のレビューで世界が絶賛する話題書についてライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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努力しても報われない理由
ジャカルタで働いていた頃、工場経理の仕事に就いていた。
経理の経験はあったが、現場作業や棚卸し、英語とインドネシア語のやり取りは未知の世界。
慣れない環境に戸惑いながらも、「ここで結果を出さなければ」と自分を追い込んでいた。
休日返上で倉庫に入り、数字が合わないたびに何度もやり直す。
暑さと疲労が積み重なり、ある日ふと「もう無理だ」とつぶやいた。
それでも、「慣れればできるはず」「もっと工夫すれば」と踏ん張り続けた。
だが今思えば、それは努力ではなく「執着」だった。
自分を追い詰めながらも、立ち止まる勇気が出なかった。
そして、辞めるという選択肢をなかなか考えられなかった。
なぜなら、頑張れない自分を認めたら、すべてが終わる気がしたからだ。
当時の私は、不安を埋めようと頑張るほど、視野が狭まり、他の選択肢が見えなくなっていた。
苦しいのに動けない――それこそが、考えすぎが生み出す罠だったのだ。
世界的ベストセラーの教え
この2月も日本で話題となっている、全世界150万部突破のベストセラー『STOP OVERTHINKING』の著者ニック・トレントンはこう述べている。
どんなにストレスフルな状況でも、必ず解決策はある。
――『STOP OVERTHINKING』(P.64)
本書では、ストレスを感じたときは「この状況そのものを避ける方法はないか」と自問してみることが勧められている。
その問いが、思考を我慢から選択へと切り替えてくれるのだ。
「三流」「二流」と「一流」の決定的な違いとは?
日本に帰国し、純粋な経理事務に戻ったとき、驚くほど心が軽くなった。
同じ頑張るでも、場所が変わるだけで、成果も気持ちもまるで違っていた。
仕事の向き・不向きは、努力や誠実さだけでは埋められない。
合わない環境にしがみつくほど、自己肯定感が失われていく。
人は環境の中で育ち磨かれるもの。
だからこそ、どこで頑張るかの選択が何より大切なのだ。
不向きな仕事に直面したとき、三流は「あきらめ」、二流は「努力する」。
だが、一流は「環境を変える」のだ。
頑張ることをやめるのではなく、頑張る場所を選び直す。
「努力する価値のない場所」を見極め、「自分が活きる環境」を選ぶこと。
本書を読んで気づいたのは、人を苦しめるのは「努力の足りなさ」ではなく、「環境への執着」だということ。
努力の方向をほんの少し変えるだけで、現実は驚くほど軽くなる。
それが、考えすぎのループを断ち切る一流の選択なのだ。
(本稿は『STOP OVERTHINKING ――思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』に関する特別投稿です)



