ポストだけでなく、メールやLINEを開いたり、既読にしたりができない、というコメントもありました。

 実際、私たちが運営する事業所に通ってくれている発達障害の方々からも、同様の声をもらいました。

 これは思っていた以上に、皆が困っている問題だと認識しました。

あとまわしが積み重なり
取り返しのつかない事態に

 改めて考えると、発達障害の人には「先延ばしのクセ」があります。

 これはADHD傾向が強い人にありがちな特徴で、「無意識の領域でリズムが乱れることを嫌がること」から起きる現象です。

 段取りを変えてミスをしたり、本来やるべきタスクを忘れてしまったりした経験から、ささいなことでも段取りを変えることに躊躇してしまうのです。

 また、発達障害の人には「できること」と「できないこと」との間に「できるけど疲れること」があります。

 まさに、この「ポストを開ける」という行為は「できるけど疲れること」なのです。

 ポストを開けたら、うれしいことよりも、嫌なことが起きる確率が高そう。何かの請求書が来ているかもしれないし、延滞料金の催促状があるかもしれない……。

 もしそうなら、早く開けた方がいいことは、頭ではわかっています。けれど、支払い忘れを改めて認識することが嫌……。

「なんか面倒なことになりそうだから、いまはやらずにあとにしよう」

 その結果、ドンドンたまるポストの郵便物。

「あれ?気がついたら投函口から郵便物があふれ出ているな……でも、あれを片付けるには時間がかかるしな……」

 ポストを開けるハードルがさらに高まり、問題へと発展していくのです。

 周囲の人からすれば、

「先延ばしにして、よいことはないでしょう!」
「どうせいつか、やらなければならないんだから、早くやりなよ!」

 と思うかもしれません。しかし、当人たちにとっては、少しでもストレスになることは極力避けたいのです。

 むしろ、小さなストレスを感じても、パカッと簡単にポストを開けられる人の方が不思議に思えるのです。