国立がん研究センターの「がん情報サービス」サイト(※1)によれば、2021年で40歳の人が向こう20年間に罹患する確率は男性は6.5%、女性は10.7%、70歳の人でも向こう10年間で罹患する割合は男性は30.7%、女性は15.9%となっています。

 そして80歳以上の人がそこから罹患する割合が男性54.0%、女性30.0%ですから、現実には2人に1人ががんになるというのは80歳以上の人の話だと言ってもいいでしょう。

 がん保険の広告と同様に数字自体は間違っていなくてもその利用の仕方でとんでもない誤解を招きかねないということが起こり得ます。

実際に若者は払い損?
数字で検証する

 公的年金で大事なことは「できるだけ多くの人が制度に参加し、その制度を支える」ということなのです。にもかかわらず、マスメディアがこうした「世代間対立」を煽るような番組を作っているのは残念でなりません。

 では、実際に若者は払い損なのかどうかを数字で検証してみましょう。図6をご覧ください。これは、それぞれの世代において自分が負担する保険料と年金給付額がどのようになっているかを一覧表にしたものです。

図6:世代間の給付と負担の関係同書より転載

 このデータは平成26年の「財政検証結果レポート」に記載されていたものを私が抜粋して作り並べ替えたものです。

 現在働いている人の9割は給与所得者(サラリーマン)なので、サラリーマンが加入している厚生年金を例に挙げて見てみましょう。ここで言う年金給付額は、年金保険料を払い終わった時点の年齢(当時は多くが60歳です)からの平均余命までの合計額で計算をしています。

 現在70歳の人の多くは年金を受け取り始めたばかりだと思いますが、保険料の負担額は1400万円、それに対して受け取る金額の合計は4600万円ですから負担した保険料の3.4倍となります。

※1 国立がん研究センター「がん情報サービス」2021年年齢階級別累積リスク
https://ganjoho.jp/reg_sta4月t/statistics/stat/summary.html