ところが2010年になりますと、この数字は完全に逆転し、3世代同居世帯は16.2%と大幅に減少した反面、夫婦のみ・単身世帯は54.1%と半数を超えています。2023年では3世代同居は7%です。この数字を見ても昔はおじいちゃん、おばあちゃんの生活をお父さんが見ていたということがわかると思います。

 したがって、公的年金の保険料の負担だけを見れば世代間による格差があるのは事実ですが、決してそれが世代間不公平にはなっていないのです。

 それでも若い世代が公的年金に対して不安、不信感を抱くのは、将来受け取る年金額が今より大幅に減ると誤解している面もあります。

 将来受け取る年金額の見通しについてよく「所得代替率が3割低下する」と報道されますが、これは年金額が3割減るということではありません。

「所得代替率」というのはその時点の現役の賃金に対する年金額の水準のことで、所得代替率が3割調整されるというのは、現役世代の所得の伸びほどには年金額が増えないということ意味しています。

若い人の将来受け取る
年金額が「減る」のは誤解

 図8をご覧ください。これは、2024年度の財政検証で初めて行われた分布推計で、ある年に生まれた人たちがどれぐらいの期間どんな働き方をするのかを丁寧に予測し、それを踏まえたそれぞれの世代の年金給付額の試算結果です。

図8:年金額分布推計(過去30年投影ケース)同書より転載

 将来にわたる経済成長の度合によって将来の年金給付額は異なるため、いくつかの前提で試算結果が公表されているのですが、図8はバブル以降のあまり元気がなかった過去30年と似たような状況を前提とする控えめな結果を載せています。

 それでも、将来世代の年金額は減っていませんし、特に女性は将来受け取る年金額の分布全体が右に移動し、若い世代の方が多く受け取れる方が増えると見込まれています。