本当に対策すべき問題は
探さなくてもわかる

なぜ何も起きなかったのでしょうか? それは、不安になりやすい人が感じている多くの不安は、「本当に対策しなければいけない問題」から来ているわけではないからです。

本当に対応すべき重大な問題があれば、わざわざ「何か不安な気がする……」と記憶を探らなくても、最初から頭の中に明確にあるはずです。逆に言えば、「探さないと見つからないような不安」は、実は対策しなくても良いことがほとんどなのです。

不安になりにくい人は、そもそもそういった「探さないと見つからない不安」に思い至りません。だからといって、彼らがトラブル続きかというとそうではなく、むしろ落ち着いて物事に取り組めていますよね。つまり、私たちが一生懸命探して見つけた不安の多くは、実は取り越し苦労であり、対策不要なものなのです。

LINEでの気づき

このことを裏付ける個人的な出来事がありました。私はこれまで、お正月になると「あけましておめでとう」というLINEを、日付が変わるタイミングで自分から送っていました。「もし誰からも返事が来なかったらどうしよう」「忘れられていたらどうしよう」という恐怖感から、ある種、強迫的に送っていたのです。

ところが今年は、少しぼーっとしていて送るのを忘れていました。するとどうなったか。友人たちのほうから、パラパラと連絡が来たのです。「自分から送らないと忘れられるかもしれない」というのは、私の勝手な不安でした。

過剰に心配しなくても、人間関係や物事は案外なんとかなっているものです。たまにうまくいかないことがあっても、不安になりやすい人はそれを拡大解釈して、「もっと準備しなきゃ」とやりすぎてしまいますが、その過剰な準備のほとんどは必要ないのです。

「何もしない」が一番の処方箋

みなさんにお伝えしたい結論はこれです。「なんか不安で、何か原因がある気がする」と思ったら、そこでストップしてください。そこから原因を探しに行くと、見つけなくていい仕事を見つけてしまい、やらなくてもいい対策に追われることになります。

今すぐやらなければいけないことが明確にメモなどで書かれていない限り、「何もしない」でいてください。ぼーっとしていて大丈夫です。「原因を探さずに放置したけれど、何も起きなかった」この成功体験を積み重ねていくと、次第に「あ、探さなくてもいいんだ」「そのままで大丈夫なんだ」と分かり、心はどんどん落ち着いていきます。

不安になりやすい人は、何も問題がない状態でわざわざ不安を見つけに行っています。まずはそれをやめてみてください。意外なほど、何も問題は起きませんから。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。