打っても響かない相手と関わっているうちに、とうとうあなたは変わらない現状を受け入れ、「周囲に頼るよりも、自分でやったほうが早い」という結論に辿り着いてしまうでしょう。

 当初のチームへの「期待」は、いつしか「失望」へと変わっていくのです。これではまるで、孤軍奮闘です。

「問いかけ」から
チームはつくられる

 でも、思い出してください。あなたが思い描く理想は、孤立無援に「自分が頑張る」世界ではなく、仲間と力を合わせて「チームで成果を出す」世界だったはずです。

 あなたがチームの仲間に期待するものは、あなたに対する「同調」でも「謝罪」でもなく、チームメンバーの個性あふれる才能の発揮だったはずです。

 では、チームと職場を魅力的な場に変えるためには、どうすればよいのでしょうか。

 その答えはただひとつ。周囲に投げかける「問いかけ」の質を変えることなのです。

 誰もが、冒頭のような沈黙ばかりのミーティング、「お通夜ミーティング」を経験したことがあると思います。

 もしあの場面で、あなたの呼びかけが、以下のような「問いかけ」であったならば、いかがでしょうか。

「この企画案、どこかひとつだけ変えるとしたら、どこでしょうか?」

もし自分がお客さんだったとしたら、この案に100点満点で何点をつけますか?

「いきなり良いアイデアを考えるのは難しいですよね。まずはいま頭の中にパッと浮かんだことがあれば、なんでもよいので教えてくれませんか?」

 これらは実際に、私が「お通夜ミーティング」の司会進行をするときに、頻繁に活用しているテクニックです。具体的には、本書で詳しく解説する「問いかけ」の技術のうち、「仮定法」「パラフレイズ」「足場かけ」と呼ばれるテクニックを使っています。

 このようなちょっとした「問いかけ」の工夫を加えるだけで、話し合いの空気は、ガラリと変わります

チームのポテンシャルが発揮され
強固な信頼が良い成果を生む

 特に意見はないと口を閉ざしていたはずのメンバーたちが、次第に、

「企画の中身はよいと思うのですが、キャッチコピーの表現が気になります」

「もし自分がお客さんだったら、85点です。こういう要素が加わったら、+5点になるかもしれません」

 など、自分の意見を表明してくれるようになるのです。