ディーゼルハイブリッド車から
BYDの電動バスへ変化
初めて公道上で行われた2023年度の実証実験では、西条駅を起点に、駅前大通り「ブールバール」から広島大学の外周を回って駅に戻る12キロのルートのうち、自動運転はブールバール区間6.4キロのみ。隊列走行区間も1.5キロにすぎなかった。駅ロータリーの転回や、国道2号線との立体交差箇所、片側1車線の広島大学周辺は手動運転で対応し、発車時の後方確認も人間が行うなど、極めて限定的な実験だった。
走行ルートの変遷(JR西日本プレスリリースから抜粋)拡大画像表示
2024年度は隊列走行を中心に実施し、隊列走行区間を3キロに延長した。自動運転区間は前年度同様だったが、あらかじめ作成した地図情報と走行中にセンサーで観測した地図情報とを照合し、自己位置を推定する「SLAM」を併用し、国道2号線との立体交差区間の自動運転を始めて実施した。
これに対して今回の実験は大幅なアップデートがなされ、ロータリーを含む全区間12キロで自動運転を実施。また、広島大学周辺の走行ルートは、ブールバールから左車線を直進すると左折レーンになる関係上、これまでは「時計回り」の運行だったが、レーンチェンジ技術が確立したため既存路線バスと同様の「反時計回り」となった。一方、隊列走行は前年度の走行試験で目途がたったということで実施しない。
ロータリー進入時の試験用センサーモニター。白線は走行ルート、緑のオブジェクトは人や車などの物体を示す(筆者撮影)
今回の実験における最大の変化は車両の新調だ。これまでは専用テストコースの実証実験開始当初から使われてきた中古のディーゼルハイブリッド車だったが、今回は新車で中国電気自動車大手BYDの電動バス(K8 2.0)を投入した。
新車両は前方対象物の距離および形状を識別する「LiDARセンサー」、ステレオカメラを増設したことで、側方、後方の物体検知が可能になり、レーンチェンジやバス停の発着、合流が実装された(実証実験では運転手も安全確認している)。また、ロータリーの横断歩道では一時停止、安全確認も行う。
自動運転でバス停に到着(筆者撮影)







